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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
古き良き時代
昨夜は北里大学の医学部の教授会の忘年会に久しぶりに顔を出した。
場所は相模大野駅前のセンチュリーホテルである。
もちろん我々初代教授はすべて代変わりして、3代目、4代目の教授も増え、初めての顔が半分以上だった。
僕が教授で就任したのが42歳。23年を過ごした故郷なので、北里大学はやはり懐かしい。
何よりも、僕のようなアメリカ帰り“はぐれ烏”を温かく迎えて入れてくれたありがたい大学である。
その懐の広い当時の菊池院長にも、久々にお会いできた。
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北里は40年前の大学紛争を期にできた、当時としては非常にユニークな医学部であった。
医学教育の改革はもう古い大学では限度がある。“新しい酒は新しい革袋に“という聖書の言葉ではないが、戦後初めて許可された新設の医学部であった。
医局制度を廃止し、モルモット相手でない患者本位の医師の養成、地域密着型の医療。様々の新機軸は、今となってはもう医学界の常識である。

時代もよかった。
講座制をとっていないので、人員枠とか予算枠にとらわれず、好き勝手なことができた。
形成外科という臨床の科でPhDを講師、助教授としてどんどん採用し、基礎研究は彼らに任せ、臨床医の研究指導もお願いした。それらの人材がいま、日本中の生物学教室に散らばり、今はやりの再生医療を支えてくれている。今思うと夢のような話である。

23年間、自分の科の稼ぎがいくらか一切知らないで過ごした。
病院の科長会議でも、収支の話は一切なく、稼げと言われたことは一度もなかった。
もっとも、病棟も手術場も満杯で、患者は半年待ちで、これ以上稼げと言っても無理なことだったこともある。

そして今は医療は冬の時代。
病院の統廃合が始まり、大学病院とて安泰ではなくなった。
“先生たちはいい時に逃げ切ってしまいましたね。”
参加した現役の教授たちから、我々名誉教授はたっぷりと皮肉の声を浴びせかけられた。
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by n_shioya | 2008-12-10 22:54 | コーヒーブレーク | Comments(6)
Commented at 2008-12-11 10:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tetsumon59sotu at 2008-12-11 19:13 x
いつもコメントへのコメントをいただきましてありがとうございます。医療「冬」の時代の次には「春」が訪れるはずです。特に厳寒の地の冬は一面枯木におおわれますが、春には新緑で埋め尽くされて驚嘆したことがあります。でも「冬」の時代に、できるだけ多くの方が意見を出して、力をあわせなければならないのですね。宇沢弘文さんが、doctor friendlyなコメントをよくされていますが、基幹病院が採算を考えなければならないシステムは改善されなければならないと思います。ただ、同時に国民が支払った税金が、大事に有効に使われるシステムも必要と思います。1m1億円ともいわれる山手トンネルにどれだけの方が賛成なのか、極めて疑問です。
Commented by みゅう at 2008-12-11 21:23 x
1日に何件もできないような時間のかかる難しい手術(形成なら極細血管吻合を含むような)を執刀する優秀な医師が、売り上げが悪いとみなされ淘汰されるような病院になってしまっては、患者が困ります。結局は病院にとっても損だと思うのですが。。。
Commented by n_shioya at 2008-12-11 23:13
きのこ組さん:
宇津木先生、大竹先生そして白壁先生でしょうか。
Commented by n_shioya at 2008-12-11 23:15
tetsumon59sotuさん:
言われるように、何か現実的な解決があるはずです。
僕も及ばずながら模索し、春の訪れを期待します。
Commented by n_shioya at 2008-12-11 23:18
みゅう さん:
行政と一般市民の啓蒙と、医師側のアピールがまだまだ必要ですね。


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