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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
精神対話士
誰でも年をとると「話相手」が欲しくなるものらしい。
老人保険が導入された当初は自己負担分がわずかだったか、時間だけは豊かな隠居さんたちに活用され、クリニックの待ち合いが高齢者のたまりになって、次のような笑い話まで生まれたという。
“今日は○○さんの顔が見えないがどうしたんでしょうね?”
“何か体調を崩して今日は休まれたそうですよ。”

だが「話相手」が必要なのは老人に限らない。
我々の関わりから言えば、患者さんの多くが、もっと医師との対話を望んでいるのではなかろうか。
インフォームド・コンセントの普及で昔より病状の説明は丁寧になったが、もっと“恐れ、悩み”といった自分たちの気持ちを受け止めてほしいというのが、患者さんたちの本音ではなかろうか。
癌で悩む方たちはその最たるものだが、それに限らず火傷の患者、交通事故、さらには容姿に悩む美容外科の患者さん等々。
聞き上手”も治療の一つと判ってはいても、なかなかそこまでの余裕がない、ことに手術に大半のエネルギーをとられる外科医にとっては。

心理療法士」という専門職もあるが、そこまで深くなくても、ただ心のウジャラウジャラを親身に聞いてくれる人がいてくれるといいのではないか。
こうしたニーヅにこたえるため、「精神対話士」という、対話のプロが生まれた。
そして地震などの災害時に発生する、PTSDの方々の心のケアにも威力を発揮したという。

メンタルケア協会」はこのような「対話士」を養成し、資格を与え、希望する方のところへその「対話士」を派遣する財団法人であり、今日はその理事会が銀座の交詢社で開かれた。

病院に配置されているカウンセラーと違う点は、「対話士」のほうが患者なり希望する方の家に出向いていく点である。受ける側はこれで時間的にも楽になり、また人に知られたくないという気持ちにも沿うことになる。
その分、「対話士」の負担は大きいが、研修の希望者は予想以上に多いという。
負担の一つは、他人の悩みを聞くことで、対話士自身がその負担をしょい込むことだ。

だが、老人に限らず、現代は若者でも対話の場を失っているのではなかろうか。
彼らにとっては、相手の顔の見えないケータイや、声すら聞こえないパソコンのキーボードと液晶画面が「対話士」の代わりになっているとしたら、アナログ世代の僕などは、何か寒々としたものを感じてしまう。
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by n_shioya | 2009-05-16 22:56 | アンチエイジング | Comments(6)
Commented by アヤメ at 2009-05-16 23:26 x
アメリカではセラピストはhome visitingもします。クライアントだけでなく 家族と話をしたりもします。クライアントを傷つけることなく聞き上手になることや 重い話を対話士が受け止められるように成るには かなり専門の訓練が必要ですね…と セラピスト&サイコロジストの卵は思うのです。
Commented by あやか at 2009-05-16 23:37 x
昨年、順天堂で「がんの哲学外来」を試験的にやったとき、これをぜひ継続して欲しい、気軽に受けられるようにして欲しいと思いました。腫瘍精神科というのもありますが、そこまで心が病んでるわけではないのです。同じ患者同士のおしゃべりもとても有効、でも医師に聞いて欲しいこともあるのですよね。アンチエイジング哲学外来もいいかもしれませんね。
Commented at 2009-05-17 15:59 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2009-05-17 23:02
アヤメ さん:
いずれにせよセラピストは、経験と重圧に耐える力が必要なのは想像に難くありません。頑張ってください。
Commented by n_shioya at 2009-05-17 23:04
あやか さん:
コメントありがとうございます。
これからは医師にもっともっと哲学というか、広い教養が求められますね。
Commented by n_shioya at 2009-05-17 23:05
だんぷさん:
こんな大変な割の合わない仕事に取り組もうという若者の熱意には感心します。


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