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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
先日、中学のクラスメートのWからアマチュア画家のグループ展に自作を出展したという連絡を貰い、銀座の伊東屋ギャラリーを覗いてみた。
ちょうどレセプションの時間帯だったので、クラスメートの何人かに会うこともできた。 Wは中学時代から絵が好きで、セザンヌ張りのなかなか味のあるデッサンを描いていた。 “君たちにはこの絵の味はわからんだろうが”というのが、美術の担当の教師の褒め言葉だった。 よく遊び、更によく遊ぶタイプだったので、大学の最終学年の終わり頃、突然電話があり、“俺、日銀に受かっちゃったよ”と言われ、思わず“ひぇー、まさか!”と叫び、“やだなー、みんなにそう言われるんだよ”と嘆かれたのも、懐かしい思い出である。 Wはその後銀行マン稼業に追われ、キャンバスから離れていたが、少し時間もできるようになったので、3年前にこのグループに入ったという。 そう言えば先週藤原賞をもらった従兄弟も、最近先生について絵を始めたと言っていた。 手先を使い、感覚を刺激する点で絵を描くことは、アンチエイジングの強力な武器の一つと考えられている。 “あなたも始めたらどう”と配偶者にけしかけられて悩んでいる。 最近読んだ安野光雅の「絵のある生活」という岩波新書にこんなような一節があったように思う。 「アマチュアは好きなように描けばいいのです。デッサン力などにこだわることはありません。今は何でもありの時代で、プロが素人っぽく描いたりするが、あれはワザとらしく嫌味です、ま、ピカソならそれも許されるでしょうが。」とアマチュアの特権をけしかけていた。 現役のころ、毎回新入のレジデントに一年間、週一で夜デッサンの指導を受けさせたものである。 デッサン力が目的ではなく、観察力を養うためであった。平たく言えば、いかに自分の目が狂っているか自覚させるためであった。 最後に自画像を描かせたが、これが面白かった。作者の性格がよく出てしまうからである。 ゴッホに似た自画像を描いた男は、その後は手術も生活もゴッホ張りで、周囲を辟易させたものである。 新入医局員の選抜には、面接よりも自画像を描かせた方がよいのではという話にまで発展したのを今思い出す。
by n_shioya
| 2009-06-24 22:24
| アンチエイジング
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Comments(2)
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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