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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
「ドイツ 町から町へ」を読み終えて
b0084241_10323880.jpg「写真がないのね。」
池内 紀氏の「ドイツ 町から町へ」を一月半かけて読み終え、配偶者に手渡すと、ぱらぱらとめくってそう言はれた。
確かに63の町が出てくるが、写真は一枚もない。

読み出してすぐ、ブログに書いたのが6月13日。
一日一つのペースでじっくりとドイツの町めぐりをしたことになる。
一枚の写真もないのに、それぞれの町が見てきたように心象に残っているのは、さすが池内先生の筆の冴えと言うべきか。
ドイツ文学者だから当たり前と言えばそれだけだが、先生は実によく歩き、よく見ておられる。
あとがきにもこう書かれている。
「一ついばってもいいかもしれない。どこであれよく歩いたこと。すり減った石畳、城壁沿いの坂道、ひっそりとして人影のない田舎道…。自分の足で風景を見つけ、歩きながら考えた。」

また、数十年でスクラップアンドビルドされる日本の町と違い、ドイツの町並みは何百年にわたって保存改築され、その時々の歴史が文字通り刻み込まれている。
決してドイツの町として十把ひとからげに出来るものではなく、それぞれの町が実に生き生きと描き出されているのが、この本の魅力であった。

かえって写真がないことも町の印象を鮮やかにしたのではないかとも思った。
よく“百聞は一見に如かず”というが、写真は決して“一見”にはならないと思う。
どんなによく撮れていても、切り取られた一場面にすぎない。あえて言えばヴァーチャルなイメージである。そしてそれ以上の膨らみはない。
それに比べ優れた筆の力は、その町の心や住人の息遣いまで感じさせてくれる。

いずれはヨーロッパに長期ステイをしたいと願い続けてきた。
どこを拠点にするか迷うところであるが、どうもドイツ、それもフランス、スイスの国境に接するボーデンゼーのあたりに居をかまえ、車でドイツと国境周辺を廻り、更にイタリア、オーストリアそしてイギリスと翼を伸ばすのが賢そうである。
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by n_shioya | 2009-07-25 21:47 | コーヒーブレーク | Comments(2)
Commented by 船長 at 2009-07-25 22:09 x
「一見」にならぬのは、写真だけでなく動画であっても。
人間の目と紡ぎだす言葉にかなうものはないと思うのですが。

すっかり携帯文化に染まってしまい、
表情や目の動きすら見えない「会話もどき」に浸っている子供達を見ると
「読み取る能力」が著しく欠け、「行間」などという言葉は死語になるのではと、ちと怖いです
深みのある街の空気に触れるだけでも違うかも・・・。
Commented by n_shioya at 2009-07-26 20:50
船長さん:
現役の船長さんには苦しい時代ですね。
こちらは陸に上がってのほほんとしていますが。


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