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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
戻り梅雨の驟雨が止み、夕日が差してきた。
クーラーを止め窓を開けると、涼しい風が舞い込んでくる。 もともとクーラーは性に合わないが、このところの異常な猛暑にはもはや必需品である。 涼風を受けてソファーに寝そべっていると、クーラーなどなかった昔が懐かしく思い出される。 あのころは日陰を探し、夕方には打ち水をして、自然の涼に頼ったものだった。 クーラーだけではない、冷蔵庫も、テレビもなかった。だが、世界は平和で幸せだった、資源と領土を奪うためのあの愚かしい戦争を始めるまでは。 ところで昭和一桁には懐かしい漫画がある。 横山隆一の「フクちゃん」だ。 ちょうど戦後の「サザエさん」に匹敵する、いやそれ以上に国民的なキャラクターだった。 おじいさんとフクちゃんと、書生の荒くまさんと、それを取り巻く市井のファミリーと。 だが、そのスタートを僕はよく思い出す、たいがいの方はご存じないが。 実はおじいさんは大富豪で、大邸宅に住んでいた。 フクちゃんも好きなものは何でも買ってもらえるお坊ちゃんだった。 それが何のきっかけだったか、おじいさんはすべてを処分して、小さなうちに移り住み、庶民の生活を始める、「狭いながらも楽しい我が家」といって。 ちなみにこのフレーズはその頃流行った歌の歌詞のようである。 その後第二次大戦という地獄を経て、人類は平和を取り戻したかに見えた。 だが、また今、「市場主義」と言われる強欲が世界を支配して、人々を不幸に落としいれている。そして「飽食の時代」に育った子どもたちは、『物』にしか価値を認めようとしない。 マザーテレサは言う。 「家庭を慈しみの場、限りなくゆるしあう場としなければなりません。今日では、だれもかれも非常に多忙になっています。より大きな発展、もっと豊かな富、もっと、もっと、と求めて。子どもたちは両親と過ごす時間がなく、両親はお互いのためにさく時間もありません。世界の崩壊は、このようにして家庭の中から始まるのです。」 もう一度、『物』にサヨナラを告げて、「狭いながらも楽しい我が家」に戻りませんか? もはや戻れない? やはり、祖先が神の教えに背いてエデンの園のリンゴを食べた報いですかなぁ!
by n_shioya
| 2009-07-27 23:09
| コーヒーブレーク
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Comments(11)
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icelandia at 2009-07-28 01:54
気づいている人はもう随分と増えていると思います。が、よほどの勇気と決意をもってしないと、そのような生活に戻らせてくれない世間があります。または、洗脳されきって、そのような生活はハナから不可能だと思ってしまうか。
そんなことを考えると、少子化は悪いことではないように思えるし、GDPだって増え続けるわけがない、と。考え方の大規模なシフトが必用になりますね。
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HOPE
at 2009-07-28 08:21
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もしゃもしゃ頭で寝ぼけながらも目を見て「おはよう」
多少の好き嫌いはあっても朝ごはんを前に「いただきます」 おいしそうに食べて目が覚めたのか元気に「ごちそうさま!」 自分で身支度をささっと済ませ「行ってきます」 たったこれだけの会話しかない「思春期くん」でも 「あぁこの子を追い立てる必要はない」と確信する朝です 神様はなんとありがたい預かりものを預けて下さったかと・・・ 波と風と雨と嵐と、ついでに槍まで降って来そうな世の中でも ほんのひとつのアイコンタクトで救われる、それを育む家庭でなければと 思いなおす この十数年「大変な時代に生んじゃってごめんな」と心の中で何度もつぶやき、 世間を嘆いてきたけれど、やっぱり家庭の中の小さな一歩から!ですね これが感染力が強いウィルスのようだといいんだけどな
おはようございます。
一日が、流れにまかせて過ぎ去る中、 先生のこうした言葉にはいつもハッとさせられ、 大切なものは何であるか、感じさせてくださいます。 限りなくゆるしあう...ホント、仰るとおりですね。 素敵な朝の目覚めになりました...♪。
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御隠居@横町
at 2009-07-28 09:38
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戦後もしばらくは、焦土と化した中、明日への希望で何やっても楽しかったって声もありますね。
1970年ごろになると、ずいぶん暮らし向きはよくなったものの、もっと生活水準の高い北欧などは自殺率が高いとか。 「へえ、そんなもんか」と思ってたら、今日は我が身ですものね。 その日ぐらしというか、毎日めいっぱいで、最小限の小さな家で、食ってくのがやっとって、案外しあわせかもしれません。単純で動物に近くて。なんか根源的幸福感もある気がする。 というと、医学や科学、ひいては文明・文化の否定になるのですが。 夏も暑かったのは確かだが、舗装や高層ビルが少なく、ヒートアイランドのようなことはなかった。網戸にして寝ると涼しくてね。サイパンに行ったら土の地面が多く、あまり暑さを感じなくて、昔を思い出しました。
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アヤメ
at 2009-07-28 15:18
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今日のブログ 大好き!
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n_shioya at 2009-07-28 23:33
icelandiaさん:
アイスランドを訪れるのも、解決のヒントになるのでは・・・
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n_shioya at 2009-07-28 23:33
HOPE さん:
レッツ ホープ!
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n_shioya at 2009-07-28 23:35
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n_shioya at 2009-07-28 23:38
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n_shioya at 2009-07-28 23:38
アヤメさん:
光栄です。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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