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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
敗戦記念日と日本の進路
昨日は「終戦の日」であった。
ナゼ「敗戦」と言わないのだろう。
あの戦争にはいつもまやかしと胡散臭さが付きまとっていた。
アジアの同胞を奴隷化し、その言語さえ奪うのを「教化」と言った。
退却を「転進」と言い、「玉砕」という便利な言葉も発明した。これは軍人の場合は全滅であり、民間人の場合には、日本軍の銃剣で脅されての自殺であった。
中でも一番依頼なのは「国体」という毒を含んだ言葉である。
これは「最高責任者」の延命手段にすぎなかった。
この言葉をめぐって小田原評定をしている間に、ソ連は満州に侵攻し、広島と長崎に原爆が落とされた。
いってみれば広島と長崎と引き換えに護られたのがいわゆる「国体」である。

ところで数日前、台風東名の下り線で土砂が崩落し、昨夜の12時にやっと復旧作業が終わった。
その映像を観ていると、基礎工事にあとからあとから「土嚢」がつまれ、その上をセメントで固めていく。

僕は戦時中の狂気の日本像を思い浮かべた。
国民の一人一人は「土嚢」にすぎなかった。
戦場に駆り出された兵士も、カーティス・ル・メイの絨毯爆撃で焼け死んだ国民も。もちろん特攻隊員も、原爆の被害者も。
何を護るため?
むろん「国体」と言う胡乱なものである。

端的にいえばあの時は日本中が「オーム真理教」に毒され、北朝鮮のように「将軍様」の為に死を選ばされた狂った時代であった。

翻って今、アメリカのオイルの強奪戦がハンチントンの言う「文明の衝突」に火をつけ、強欲な「市場原理」が世界を席巻し、「時限爆弾」を抱えたまま衝突はエスカレートしていく。

その中で日本の生き延びる道は?
現実を冷静に見つめ、冷静に現実的な対応を考えなければ、今度こそ世界規模の狂気の渦に飲み込まれてしまうであろう。
by n_shioya | 2009-08-16 23:31 | コーヒーブレーク | Comments(2)
Commented by valkyries at 2009-08-17 22:31 x
先生、39年前に割腹自殺した三島由紀夫の「檄」にこう書いてあります・・・「 沖縄返還とは何か? 本土の防衛責任とは何か? アメリカは真の日本の自主的軍隊が日本の国土を守ることを喜ばないのは自明である・・・」

アメリカに隷属しない自主独立の自衛隊の確立も、先生の仰る日本の生き延びる道の選択肢の一つだろう思います。
明日公示される衆議院選挙では憲法九条改正の是非、及び改正の中身の議論をもっともっと活発にするべきでしょう。
Commented by n_shioya at 2009-08-18 13:08
valkyries さん
今回の選挙の争点が、自衛、福祉、教育であるべきで、目先のばらまき合戦になってしまったのは悲しいですね。

三島の檄の
「われわれは戦後の日本が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失い、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。」
は正しい指摘と思いますが、その根底にある
「日本の軍隊の建軍の本義とは、天皇を中心とする日本の歴史・文化・伝統を守る」ことにしか存在しないのである。」
という、国民ではなく国体を守れという三島の美学にはついていけないのですが。


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