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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
舞踏会の手帳
イタリアは想うだに楽しい国である。
ちょうど日本の京都を国全体に広げたように、名所旧跡に満ち、そして豊かな自然に恵まれている。
何よりも明るい、太陽の国である。

ある年の夏、われわれはミラノの空港に降り立った。
そこでうまく三男と落ち合い、レンタカーでコモ湖に向かった。目指すはホテル・ヴィラ・デステである。
往年の名画、「舞踏会の手帳」の舞台である。

b0084241_7561985.gif我々はそのあと,学会で10日ほどイタリアに過ごすことになるが、三男は1月ほどのイタリア無銭旅行を終えて、帰国の途に就く直前である。つまりそのオーバーラップの3日間を、コモ湖のほとりで一緒に過ごすことにしたのだ。今考えれば、よく空港で落ち合えたものだったが。

コモ湖はYの字を逆さにしたような形の湖で、ヴィラ・デステはそのフォークの左の南端にある。かつてはなんとか言う枢機卿の館であった。
フォークの分かれ目、つまり岬の尖っ先にはベラッジオという村があり、ここのホテルも料理がおいしいと人気がある。

ホテルの帳場で宿帳を記入していると、のぞきこんだ三男が室料に目を止め、ああ、俺のひと月の滞在費と同じだ、と嘆声をあげた。
湖側の部屋はすべてセミスウィートで、決して安くはないが、その眺めといい、調度といい、一生の思い出としては十分にその価値がある。

ここで三組の日本人にあったのは、うれしいサプライズだった。当時の東京女子医大の野崎教授夫妻、その友達のN饗のコンサートマスターの徳永夫妻そしてクレモナでバイオリンづくりをされている、名前は失念したが日本人のご夫妻。三夫婦は昔からの旅友達だという。

その夜、久しぶりに御馳走を食わせようと、ホテルのレストランで、フローレンス風ステーキを注文したところ、息子は半分以上残してしまった。
一月の粗食で胃袋が縮んでしまって、と残念がったのはお笑いだった。
夕方、ボートを出し、コモ湖の日没を愛でる。
翌日はスイスを見たいという息子の希望で、アルプスを越えてサン・モリッツまで、日帰りのドライブを楽しむ。
翌日、ミラノで息子を送り出し、われわれは学会の開催地、パドヴァへと車を走らせた。
その後の展開はまた明日にでも。

そう「舞踏会の手帳」について一言。
あらすじは「未亡人になった若いクリスティーヌが、16歳の時の初めての舞踏会の手帖を頼りに、昔の踊り相手を訪ねて回る。」というお話。
我々世代にとっては、「舞踏会の手帳」とはノスタルジックの代名詞であった。
そしてヴィラ・デステがその象徴だったことは言うも野暮でしょう。
出演者もマリー・ベル、フランソワーズ・ロゼそしてルイ・ジューベ等々名優ぞろいだった。

蛇足ながら昔の映画は演技で楽しませた。
今の映画は特写CGではちと悲しくはないでしょうか?
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by n_shioya | 2009-08-27 23:29 | コーヒーブレーク | Comments(6)
Commented by Doc.K at 2009-08-28 06:00 x
この5月,学会での発表を終えた後にコモ湖のヴィラ・デステ行きました。つかの間の一時でしたが、屋外プールサイドのテラスで食べたパスタはあの絶景をもがスパイスとなり極上の味でした。 
Commented by だんぷ at 2009-08-28 08:28 x
ただ単純に行ってみたいですね
実際に肉眼でみて肌で感じたいです
最近どんな映像も「本当に本物か?」分からないですし・・・
Commented at 2009-08-28 08:30 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by valkyries at 2009-08-28 09:15 x
先生、同じ水辺でも京都の嵯峨野・渡月橋辺りの喧騒には辟易します。
ここに限らず、どうして日本の水辺の観光地は、醜悪なBGMが常時垂れ流されているのでしょう?
日本人は「静寂」「自然音」に対する潜在的な恐怖でもあるのか、と疑ってしまいます。

私の知る限りでは、欧米では無意味なBGMは垂れ流されていないと思います。コモ湖は是非訪れてみたい所ですが、あのあたりは如何でしたか?
Commented by n_shioya at 2009-08-28 23:21
Doc.K さん:
素晴らしかったでしょう。
次回はルガノに足を延ばしてヘッセを偲ぶのが夢です。
Commented by n_shioya at 2009-08-28 23:22
valkyriesさん:
そう言われれば騒音を含め、余計な音は一切ありませんでした。
日本人の美的感覚は、聴覚を置き忘れてきたのでしょうか。


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