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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
今の若い女性の痩身願望は、われわれの理解の埒外にある。
ルーベンスの描く三美神を思い起こして欲しい。ふくよかを通り越して、デブデブの三段腹の集まりではないか。 “そうおっしゃっても”、と女性誌の編集者に言われた。“痩身特集を組むと売り上げが倍増するんですよ” そこで登場するのが痩身ダイエットであり、痩身マシーンである。 その新兵器の一つが、先日の学会でお目見えした。 凍結法とでもいおうか、皮下組織を二枚のプレートで挟み込み、プレートの温度を氷点下に近くまで下げる。具体的に何度かは企業秘密なのか知らされなかった。 すると脂肪細胞内の脂肪が結晶になり(凍結とは言わなかった)、細胞は自然死(これはアポトーシスと呼び、壊死とは違う)して、白血球に貪食される。かくして皮下脂肪層は一センチ近くも薄くなるという。 創始者の言では、これによる組織障害はなく、もちろん皮膚障害も残らぬという。ただし肝心な内臓脂肪は改善しない。 この機会にグーグルで検索すると、「冷凍痩身」と言うのが引っ掛かった。 これはカプセルに体を入れ、マイナス160度の冷凍酸素?を噴霧するという。 エステサロンで行われているようだ。 どのようなメカニズムかは知らないが、数十年前、やはり冷凍による痩身で凍傷を起こし問題となったエステサロンを思い出した。 現在痩身法として行われているものには、エンダモロジ―、メゾセラピー、脂肪吸引など様々な方法があるが、安全なものほど効果は限られ、脂肪をこれだけ抜きましたというより、ある程度体型を整えるということを目的に置いた方が無難と言える。 そもそも日本人には、欧米人のような肥満体は稀にしか見られないからである。 欧米ではそれこそ病的ともいえる肥満体に対して、脂肪吸引だけでなく、経口薬剤で脂肪吸収を抑えたり、消化管の一部を切り取ってこれも消化不良による減量を計る方法もある。 ま、一番安全な減量法は、腹八分で我慢し、しっかりと運動をすることですな。 だが、これがいうは易くして、実行には僕も難儀している
by n_shioya
| 2009-09-28 22:27
| アンチエイジング
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Comments(6)
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御隠居@横町
at 2009-09-28 22:52
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ブラジル人モデルが拒食症で亡くなって、モデルのやせすぎが問題になりましたね。
太ってるとは思えないのに、若い女性は痩身を願いますね。 一説によれば、身長や顔は体重に比べ、絶望的に変えようがないから、せめてもということで減量に向かうとか。
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船長
at 2009-09-29 09:17
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今の世の中の状況や傾向とも無縁ではないのかなぁ…と思ったりします
以前摂食障害について専門家にうかがった時、 「大人になることを無意識に拒否している側面を無視できない」と聞きました 時間を止められないならせめて自分でコントロールできる範囲であがくということでしょうか どこからを摂食障害という病気と診断するかの基準はあっても これだけ予備軍がいると明確な線引きは難しそうに感じてしまいます 「こういう大人になりたい」と思い描ける国、世の中ではないなぁ…と思えば 大人になるまでも、なってからも歪んだイメージに固執する人が多いのはわかる気もします 今や小学校低学年から「給食をほとんど食べない子」がいるんだそうですよ モデルやタレントに憧れて…が始まりだとしても憧れる相手が正しいのか!? 発達に重大な問題が残るだろうに、と不安になります
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icelandia at 2009-09-29 09:44
日本人は本当に小柄で可愛らしいと、海外から戻るといつも思います。それに女性は少しふくよかな方が魅力的だと思うなぁ。憧れます。
私の若い頃はBMI値が14%代で、太りたくて仕方がありませんでした。食欲増進剤をもらったり、油を飲んでお腹を壊したことも。出産と中年太りで5キロ増え、ここ半年間のフィットネス通いで更に2キロ増やして、やっとみすぼらしくない程度になったかな、と。太るにも運動が一番ですね。 ヤセの悩みは理解者が少なく、嫌味に聞こえるのが辛いところ。手足がギスギスしすぎているので、体型を隠そうとするのは、太めの女性と同じです。が、年太りで救われるところは、やせの特権ですね。
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n_shioya at 2009-09-29 23:24
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n_shioya at 2009-09-29 23:27
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n_shioya at 2009-09-29 23:28
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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