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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
寺田寅彦は忘れたころにやってくる。
b0084241_20513811.gif学会の合間に本屋に立ち寄ると、「寺田寅彦は忘れたころにやってくる」と言う新書が目につき、買い求めてしばらく読みふけった。

天災は忘れたころにやってくる」という格言は知らない人はないと思うが、それを言ったのが寺田寅彦だということを知っている人はまだどれほど生きているだろうか?
ましてその寺田寅彦が有名な物理学者で且つ随筆家としてもっと名が通っていたということを知っている人が。

昔の中学の教科書には、いくつかの代表作が載っていた。
高校時代には岩波文庫の随筆集を夢中で読んだものである。
自由な発想が魅力だったが、晩年の作品はあまりにも突飛な思いつきでついていけなかった覚えがある。
吉村冬彦というペンネームの作品もあり、また弟子には雪の研究家で随筆の名手の中谷宇吉郎がいた。

まだ読み始めたばかりだが、教育に関したわが意を得た一文があるので引用する。

「子供から青年までの教育機関はあっても中年、老年の教育機関が一向にととのっていない。しかし、人間二五,六歳まで教育を受ければそれで十分だという理屈はどこにもない。死ぬまで受けられる限りの教育を受けてこそ、この世に生まれてきた甲斐があるのではないかと思われる。現在ある限りの学校を卒業したところで、それ添えで一人前になれるはずがない。」

ごもっともである。寺田寅彦がこの文章を発表した昭和九年はいざ知らず、現在では生涯学習という言葉も定着し、また放送大学と言うまことにありがたい機関も成長している。しかし、寺田寅彦の発想はじつに自由であり、次のような言葉をつけ加えている。(この部分新書より)

「中年学校、老年学校を設置して中年、老年の生徒を収容し、その教授、助教授には最も現代的な模範的ボーイやガールを任命するのも一案である。
子供を教育するばかりが親の義務でなくて、子供に教育されることもまた親の義務かもしれないのである。」

さて、そうなると僕の息子や娘は親父に何を教えようとするだろうか?いささか気になるところである。
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by n_shioya | 2009-10-09 23:21 | コーヒーブレーク | Comments(11)
Commented by HOPE at 2009-10-10 07:46 x
「親」に何もお教えできることもなく、
ひたすら受け取るだけの「子」のままで恥ずかしい限りですが
「生涯学び習う、しかも積極的に自由に」という姿勢は自然と染み込んでいる…
これぞ「親の偉大さ」と思うことしきり。
それに引き換え私は「何を渡し、残して行ける」のだろうと考えてしまいました。
体力の衰えが大きな敵になるとは想像を遥かに越えていましたが…。
Commented by 御隠居@横町 at 2009-10-10 08:25 x
夏目漱石-寺田寅彦-岡潔ラインの随筆は面白いですね。
学問は日進月歩なので、生涯教育は当然と思いますが、学校だけで終わらそうとするところ、たいていの人は勉強が嫌いなのでしょうか。
Commented by n_shioya at 2009-10-10 22:27
HOPEさん:
でも、子供にしか言えないこともいくらもあるので、親には遠慮なくおっしゃってください。
Commented by n_shioya at 2009-10-10 22:31
御隠居@横町さん:
僕が今必要とされているのは、老年期に入るための準備教育ではないかとおもっています、ちょうど子供が大人になるために義務教育があるように。
Commented by マイコです☆ at 2009-10-13 16:26 x
まさか、先生のブログへの書き込みで、岡潔先生の名をお見かけしようとは!!!
感激です! 御隠居様にも感激です!
ちなみに、中年層の私は、learn as if you live foreverという、ガンジーの言葉に励まされております。
Commented by 御隠居@横町 at 2009-10-13 22:16 x
どうも。
岡先生自身、師弟関係として、夏目漱石-寺田寅彦-自分(岡潔)
と書いてますね。岡先生はパリ留学以来、中谷宇吉郎・治宇二郎兄弟と仲が良かったですからね。
上で塩谷先生が寅彦の晩年が突飛と述べられてますが、岡先生は長らく統合失調症を患っておられたこともあり、かなりついてけない部分もありながら、異様な魅力を感じます。
Commented by マイコです☆ at 2009-10-14 17:42 x
先生の場所をお借りして、ご隠居様へ。
人生をかけて私淑したいと、出会ったのが1994年。浅くしか勉強せず、久しく遠のいており、芥川龍之介-岡先生というラインかと勘違いしていたことが分かりました。
これも何かの縁です、じっくり勉強しようと思います。
先生、ご隠居様、ありがとうございます^^。
Commented by n_shioya at 2009-10-14 23:00
御隠居@横町 さん:
いつも適切なコメントありがとう御座います。
ケータイ世代が横行し始めて、昭和一桁原人としては心強い限りです。
Commented by n_shioya at 2009-10-14 23:02
マイコです☆さん:
ガンジーの叡智と忍耐は神業ですね。
せめて加齢をそれに近付くステップにしたいのですが。
Commented by マイコです☆ at 2009-10-15 18:18 x
先生は、ご結婚以来50年、奥様と一度も喧嘩されたことがないのですもの。忍耐(その必要性があったとして)は、ガンジー級ですね。
ところで、年齢区分の認識に誤りがありました。私は壮年に属しています。では、また☆
Commented by n_shioya at 2009-10-16 23:30
マイコです☆ さん:
忍耐ではなく、お互いにすれ違いを気づかぬほど鈍感なだけかもしれません。


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