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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
残された4万時間?
今日は一日家でじっとしていた。
考えてみると、病気でもない限り一歩も家の外に出ない一日は珍しい。
絶えず動き回っている僕を、配偶者は落ち着きがないと嫌がるが、これは「褥瘡予防」だと言い返すことにしている。
皮膚の一か所が2時間持続して圧迫されると、血流障害を起こし皮膚が床ずれを作るということは医師の常識である。

それはともかく、家にいても頭はじっとしていてくれないので、買い置きの本の山から一冊選んで読み始めた。
b0084241_1213661.jpg岩波新書の「定年後」。著者は加藤仁というご仁である。
配偶者がちらと見て、“もう手遅れよ”という。
そんなことはない。悔いのない「8万時間」のためのヒント満載と帯に書かれている。だが、77ページ参照とあるのでまずそこを開くと、60歳で定年を迎え、80歳まで生きたとして、その自由時間がおおよそ8万時間と言うことのようだ。
すると今78歳の僕は、残り時間は8千時間しかないことになる。

だがここに「平均余命」というありがたい数値がある。「平均寿命」とは違い、それぞれの年齢に達した人に残された寿命である。
平成20年の厚労省の発表では、78歳に達した日本男性の平均余命はほぼ10年だそうだ。ということは僕の場合、有効活用すべき時間はほぼ「4万時間」となる。
と、気がついて新書を一気に読み終えた。

さすがその道の専門家だけあって、参考になることが満載されていた。自分のこれからの生き方よりも、NPO法人アンチエイジングネットワークの活動指針について。
と言うのは医師という職業はあまり定年を意識しないで一生を過ごせるからだ。
開業医には定年はないし、勤務医でも病院の定年が来ても、開業すればそのまま診療を続けられる。又、今までは大学教授だと、一般病院の院長として天下り先が待っていた。これは官僚の「渡り」と同じである。

僕の親父は開業医だったので84歳まで診療を続け、その後100歳までは現役ゴルファーとして余生を楽しんでいた、その後の6年間は体調を崩し療養生活を余儀なくされたが。
その親父の晩年を見て、高齢者のQOLの根幹は「生きがい」にあり、その重要な要素は①“人に必要とされること”、例え錯覚でもいいから、人の迷惑にならない限りは。と僕は説き続けてきた。
だが、そのほかに
②“達成感”、どんなささいなことでもよい。
③“楽しみ”趣味的なこと、また若いころにやりたくてもやれなかったこと。
などもQOLの重要な要素であることを知らされた。

これらの達成には当人の発想の転換も必要だが、その達成のためのお手伝いとか、環境作りがアンチエイジングネットワークの使命であると痛感した。
しかし加齢とともに個人の価値観は、生物学的年齢以上に大きく幅が広がる。
定年後の有様も、その人の価値観にあったものでなければならないので、一概にどうあるべきだとも言えないのがこの問題の難しさでもある。
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by n_shioya | 2010-02-07 20:44 | アンチエイジング | Comments(4)
Commented by 船長 at 2010-02-08 07:09 x
中年と言われる年頃ですが、いつの頃からか「こんなにも価値観が違うものか」と
強く感じることが増えています
これまで気づかなかったのか、目をつむってきたのか「なんとかなるさ」と思ってきたのか…
でも最近の感想は「自分で価値観をつかみ取ってきた人」は意外と柔軟、
親なり周囲なりに「押し付けられた価値観を盲信して育った人」は頑なということです
後者は相容れなければ、どんなに歩み寄ろうと努力してもすれ違う…
この価値観の乖離は年齢とともに広がるのでしょうか?
先生の目指すところは実に奥が深いですね
Commented by n_shioya at 2010-02-08 08:42
船長さん:
それをまさに著者は言いたかったようです。
漱石苦悩の末たどりついた『自己本位」という立ち位置が、著者のよりどころになっていると繰り返し述べています。
Commented by ささびぷらす at 2010-02-17 12:43 x
一番いいのは恋愛ですね。歳は関係いありません・・・韓流ドラマのヒロインでも、雑誌の中のお嬢さんでも人を好きになったり、夢中になったりすることは体内の細胞も張り切って活動すると思っています(*^_^*)
Commented by ささびぷらす at 2010-02-17 18:34 x
今日はありがとうございました。最初はきつそうで心配でしたが、フリートークではとても生き生きとされて、おそらく本来の先生らしさがでていたのではないでしょうか?次回も楽しみにしております。


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