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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
「老いの才覚」
曽野綾子女史の「老いの才覚」を読み終えた。
実は「曽野綾子」は苦手で、敬して遠ざかっていたが、昨年末からベストセラー入りして、書店に行くたびに山積みになっており、つい買ってしまったのである。
それと、アンチエイジングの目的は「高齢者のQOL」にありと唱えている以上、無視もできなくなったということもある。
いつも彼女の言われることはごもっともだが、何か説教口調で高飛車に言われてるようでかなわないと言うのが本音でもあった。
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だが、今回読み終えていささか印象が改まった。
一つには、癌病や骨折など、彼女の闘病生活の下りを読んで、些細な異変でオタオタしている自分が恥ずかしくなったということもある。
彼女の人生の対決のしかたと割り切り方は実にイサギヨイ。
何に限らず、概して女の方が度胸が据わっているもので、小説でも男の作家は4畳半の片隅でコチョコチョという感じのものが多いが、女流作家の方々は皆さん歯切れが良い。瀬戸内寂聴、塩野七生など想い浮かべてください。
そして曽野綾子は、ある意味で不器用だと言うのが僕の持論でもある。
文学としては、同時代に同じく才女ともてはやされた有吉佐和子の方がはるかに巧者だと思うが。
曽野綾子は、良くも悪くも糞真面目なのかもしれない。

さてこの本で「老いの才覚」として彼女が挙げているのは、
①「自立」と「自律」の力
②死ぬまで働く力
③夫婦・子供と付き合う力
④お金に困らない力
⑤孤独と付き合い、人生を面白がる力
⑥老い、病気、死と慣れ親しむ力
⑦神様の視点を持つ力。
である。

その殆どに僕も納得するが、一つだけ異論がある。
それは序章で彼女が述べる、
“高齢である、ということは、若年である、というのと同じ一つの状態を示しているだけにすぎません。それは、善でも悪でもなく、資格でも功績でもないのですから。”という箇所だ。
“老人よ若者に甘えるな、”という視点では納得がいくが、若者が老人を敬する、敬老の精神は復活すべき日本古来の美風ではなかろうか。彼女がほかの箇所でも強調している、「心遣い」でもあるから。
大体、ワインでもウィスキーでも年代物ほど珍重されるのに、なぜ人だけは年を重ねるほどに、屑扱いにされなければならないのか。
すべての機能は加齢とともに衰えるが、唯一、判断力は、それを叡智と呼んでもよいが、経験に基づくもので、加齢と共に向上していいはず、というのが僕の持論なので。勿論認知症にならなければ、という条件付きだが。

今一つ気になるのは、この本の売り上げはすでに50万部を突破しているという。
だがはたして読者の価値観や身の処し方にどこまで影響を与えているのだろうか?
ただ、“納得しました。”と言うだけでは、著者の意にそぐわないのではと思うのだが。
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by n_shioya | 2011-04-26 22:59 | アンチエイジング | Comments(6)
Commented at 2011-04-26 23:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 序破急 at 2011-04-27 00:45 x
有吉佐和子が「恍惚の人」「複合汚染」などで注目されている傍らで、話題を作れず精神を病んだ人ですね。
精神病を売りにする鈍感力はすごいけど、変な表現をしたり権力迎合と弱い者イジメしたりで頂けません。電力会社から金貰ってデタラメPRもしてました。
チェルノブイリ原発事故の犠牲者より妊娠中絶の犠牲者のほうが問題だと執拗に繰り返しました。ここまで狂信的だとカトリック教会も迷惑でしょう。
この本に書かれていることは、著者の生き方と言動とは対立します。商売だから書いているのでしょう。
もともと派手な宣伝で平積みにされている本ほど、ほんとうの影響力はありません。新聞の部数水増し「押し紙」と同じですから。
Commented by 十楽人 at 2011-04-27 08:44 x
私にとって彼女は、「敬わずして遠ざけている」人物。序破急さんのコメントに付け加える文言はありません。
Commented by n_shioya at 2011-04-27 22:23
ハドソン さん:
お久しぶり!
立派に自律されてる母上、結構なことではないですか。
Commented by n_shioya at 2011-04-27 22:25
序破急さん;
何かクサイ、“自己顕彰型”とでもいうか、決して読後感は後味の良いものではありませんでした。
Commented by n_shioya at 2011-04-27 22:26
十楽人さん:
やはりそういうことだったのですね。
納得です。


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