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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
無駄の効用
先日引用した「英語の名句・名言」の序文でミルワード先生は
オックスフォードの学生時代に、特に私の心に訴えるところのあった名句を100、主としてイギリスの詩人の作品からえらんで載せることにした。当時私の心に訴えただけではない。その後も私の宝となって、論文に、著書に、講義に、次々と適切な引用を提供してくれたものである。またひとり私のお気に入りと言うだけだはない。イギリス人がひとしく共通の財産として大切にしているもので、イギリス文化の豊かさに貢献するところはなはだ大きい。”

うらやましい話だ。
それだけの文化遺産が継承され、しかもフルに活用されていることは。
わが国にも、それに匹敵する文化遺産は存在するはず。問題はそれがどれほど生かされているかだ。
その橋渡しの大事な場が大学である。

戦後新制大学が発足した時、2年の専門課程以上に重視されたのが教養課程だった。それが、すぐ役に立つ卒業生をという雇用側の要請で、教養課程は専門課程専門課程に侵食され、大学は職業訓練学校に堕している。いやその職業訓練にしてもお粗末なものである。

医学部の場合は、専門課程が4年だが、一貫教育の名のもと、2年の教養課程に医学教育が食い込んできている。
だが一見無駄なようでも、若いうちに幅広く言葉は悪いが教養を身につけておくことが、人間の幅を広くするだけでなく、専門分野での発想も柔軟にする。
昔は医学部の卒後教育でも、臨床を目指すものは最初の数年は基礎に身を置き、反対に基礎学者になる者も、多少の臨床を身につけることがよしとされた。
だが世知辛い昨今は、みな“短絡思考”が身について、“急がば回れ”は時代遅れのようだ。

最近「英語の名句・名文」だけでなく、「一日一名言」、「世界名言集」など読みあさっているが、相当部分は先刻ご承知の「金言」、「警句」そして「箴言」である。
昔はただ気のきいたセリフぐらいにとらえていたものが、世の浮き沈みを経た今は、実に味わいのある、又今でこそ役立つ言葉の数々である。

そして“この手の名句は、散文より詩に多い。散文は、どちらかというと、散漫でとりとめのない表現形式だで、ずばり核心をつかめない。それにひきかえ詩のほうは、もっと集中的で記憶に訴えるから、金言をつくりだすのにとりわけ向いているということになる。”とミルワード先生がおっしゃるとおりだ。

そして僕は絶滅品種の「教養学派」の一員として、改めて「無駄の効用」をあげつらいたい。
by n_shioya | 2011-05-24 21:31 | コーヒーブレーク | Comments(2)
Commented by たかみ at 2011-05-25 02:12 x
ビタミンC効果はいかがでしたか?
Commented by n_shioya at 2011-05-25 22:36
たかみ さん:
それがどうも・・・
後はお察しください。


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