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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
親の認知症
数日前、長男の友人である電通のT局長とランチを一緒にした。
前にも書いたが、我が家には五人子供がいて、それぞれにまた何人かの友達がいるので、子供たちの出入りは絶えなかった。
山小屋には総勢30人ほどが雑魚寝したこともあるという。こうなるとどれが自分の子か区別がつきがたいことあるが、あまり気にもならなかった。皆僕の子供だった、相手様はどう感じていたか知らないが。

T君の父親は、手術の後に重症肝炎を併発して、20年ほど前に亡くなった。
母上は数年前から認知症になり、特養に入っておられる。
配偶者から、母上のことは話題にしないようにといわれていたので、食事中には全く話しは出なかったが、別れ際に彼から雑誌のコッピーを渡された。
頼まれて親の思い出を描いたので、あとで読んで欲しいという。
“一寸美化してますが”、と照れ臭そうである。

そこには、息子を夫と思い込んでいる母親が、夫との楽しい思い出を懐かしむ様がほのぼのと温かく描かれていた。
それは一遍のお伽話でもあった。
丁度、アンデルセンの自伝が、作品の中で最も優れたお伽話だったと言われるように。
またゲーテが自分の伝記をあえて「詩と真実」となづけたのは、詩と真実を並列したのではなく、詩のなかにこそ真実が宿ると言いたかったからではなかろうか。

僕の両親も残された数年は認知症の世界で暮らしていた。
自分の親が目の前で崩壊していくのを見るほど辛いことはない。そのためか僕の親に対する気持ちは決して温かいものとはいえなかった。

君は本当に親孝行だね、T君。
by n_shioya | 2011-06-23 23:16 | 介護 | Comments(2)
Commented by HOPE at 2011-06-24 08:04 x
本当に辛くて悲しいことを
本当に温かくて美しい言葉に昇華させることのできる人は
どれだけの深い泉を心の中に湛えいるのかと思います
憧れます
Commented by n_shioya at 2011-06-24 23:13
HOPE さん:
それが詩の役目でしょうね。


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