|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
わが国には「日本美容外科学会」という全く同名の学会が二つ存在して、それぞれが専門医制度を掲げているのはご存じだろうか。もっともそのレベルは格段の差があるが。
先日の福岡の学会で、といっても同名の学会の一つなので、どちらのという区別が難しいが、二つの学会の統合の話が進展した。 今後の課題は、段階的に専門医制度を一本化していくことにある。 其のシンポジュームで、僕と一緒に座長を務めてくださった、元朝日新聞の科学部長の田辺さんが、ネットのニュースで分かりやすく報告してくださったので、引用させていただく。 田辺さんはこの二つの同名の学会の成立以来、ジャーナリストとして冷静に追いかけてこられた。 『2011年9月29日、30日に福岡市で開催された形成外科系の日本美容外科学会で、画期的なシンポジウムがあった。題して「二つの美容外科学会:日本の美容医療に将来はあるか?」。そう、日本には「美容外科学会」が二つあるのだ。このシンポでは、長年の「対立」を乗り越えて統合への方向が明確に打ち出された。 「日本美容外科学会」は35年も前から「開業医系」と「形成外科系」の二つがあり、それぞれ専門医を認定している。厚生労働省は、一定条件をクリアした学会専門医の広告を解禁したが、さらに将来的には学会専門医への認定を診療報酬に反映させることも検討している。同名の学会が別個の活動をしている状況では、一連の医療行政の動きに取り残される可能性が大きい。 今回の形成外科系の学会を主宰した大慈弥裕之・福岡大学教授(形成外科)は、こうした危機感から、主に部外者の意見を聞く形のシンポジウムを企画した。 壇上の参加者は美容外科にはタッチしていない平林慎一・帝京大学教授(形成外科)、川島真・東京女子医大教授(皮膚科)、美容医療ジャーナリストの南美希子さん、眼科医でもある吉田統彦・衆院議員。NPO法人アンチエイジングネットワークの塩谷信幸・理事長と筆者(田辺功)が共同座長を務めた。 ■皮膚科系でも統合の歴史 それぞれの立場から自由な意見表明があったが、平林さんは学会専門医制度の委員として、吉田さんは厚生行政を進める議員として、2学会並立の不利を強調した。南さんは学会の壁がエステなどとの連携を不十分にしていると指摘。川島さんは皮膚科でもほぼ重複した学会があったが、合同学会を経て統合した先例を紹介した。結局、全員が学会の統合を支持、その方向を目指す意見が会場からも出た。 筆者は1981年5月に「どっちが本家?2つの美容外科学会相次いで国際会議」という見出しの記事を朝日新聞に書いている。開業医系は美容整形を看板に掲げ、古くから「日本美容整形学会」と名乗り、厚生労働省に正式の診療科と認めさせる運動をしてきた。一方の形成外科系は小規模な大学人の研究会だったが、美容外科が診療科名になりそうだと一足先に「日本美容外科学会」と改称、開業医系も間もなく同名に改称した。 機器や技術の発展で両学会の医療内容が似通ってきたことや、創設期幹部の引退などで近年は統合への期待、機運が出てきている。形成外科系は会員を大学形成外科出身者に限っているが、そうした条件が緩和されれば、統合は現実味を帯びる。今回のシンポジウムはそのきっかけになりそうだ。 (医療ジャーナリスト・田辺功)』
by n_shioya
| 2011-10-12 21:38
| アンチエイジング
|
Comments(2)
Commented
by
船長
at 2011-10-13 07:55
x
聞いたことはありましたが…
全く同名で2つ存在できるということ自体素人からするとビックリです 患者さんの立場考えたらそんな紛らわしいことナンセンスですよね いや、それ以上ですね、悪いインパクトが… 素人が何を基準にするかって言えば、「もっともらしい名前」なり「権威っぽい匂い」がするかですもの でもひょっとしてわざと紛らわしくしたなんてこともあるのですかね?
0
Commented
by
n_shioya at 2011-10-15 22:53
船長さん:
美容外科の特殊性ということもありますが、いずれ経過を追ってご報告します。
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||