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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
日本語の品格
日本語は曖昧さが持ち味である。
従って官僚たちの責任回避には好都合にできている。
まず、主語をぬかすことが多い。
そして、動詞が文脈の最後に来るので、否定か肯定かは相手の反応を見ながらどうにでも操れる。

昔駆けだしの医師の頃、取材に来た記者に、読者に分かりやすい文章のコツを教えられた。
① 主語と述語をはっきりさせること
② センテンスは短くブツ切りにすること
③ 言葉の定義は煩雑でも、繰り返すこと。
これはあくまで、判りやすい文章ということで、“およそ文学的には味気ないものとなりますが”、という注釈があった。

そして今、官僚も政治家もあえて文学的な表現にこだわり、責任の所在を不明瞭にする。“言語明瞭、意味不明瞭“でならした首相もいたのはご存知でしょう。

気になるのは主語が不在だと、必然的に文章は受け身になることだ。つまり主体が不在になる。
例えば、戦争が勃発したと言うとあたかも天災が降りかかった様な感を与える。冗談じゃない。戦争はれっきとした責任ある人間が始めた行為である。太平洋戦争にしても、それが政治家であれ、軍部であれ、結託して起こした行動で、それを最高責任者が、許可している。
そして塗炭の苦しみを舐め、死に追いやられた国民が、その責任の追及に思い至らないのは、日本語のあいまいさも一役買っているかもしれない。
これこそ「日本語の品格」である。

今度の3・11にしてもそうだ。
地震は天災である。津波も天災である。だが、防災策は人間の責任である。その意味で原発事故は明らかな人災である。
はっきりと主語をおけば、東電会長と社長が、保安院、経産省とグルになって起こした人災である。
この中でだれ一人、“私が悪うございました”という矜持のある男がいないのは、一つには日本語の曖昧さで自己保存が図れる悪臭、ではない悪習である。
彼らにプライドの一かけもあったら、異物反応で頓死していたであろう。

ここで今一つ日本語の特徴である“言い変え”が一役果している。
例えば、「予測回避」を「予測不能」と呼ぶことが其のよい例だ。
丁度太平洋戦争で、「退却」を「転進」と呼び続け、「全滅」を「玉砕」と称え、破局が来ても「敗戦」を「終戦」とよび、「占領軍」を「駐留軍」と呼んだように。
また、「一億増懺悔」とぬかして、国民に最高責任者の責任転嫁を計った、大バカの首相もいた。ま、最高責任者の同族だから仕方ないかもしれないが。
また、日本軍の歪んだ倫理感は、虜囚を恥として自決を強いた。しかもこれは戦闘員に限らなかったことは沖縄戦で立証されたとおり。これは東条の犯した最大の罪の一つであろう。

という訳で、帰国して間もなく“先生の日本語は解りやすいのが問題ですよ。”という忠告を同僚から受けたのを想い出す。
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by n_shioya | 2011-12-05 22:36 | コーヒーブレーク | Comments(4)
Commented by 船長 at 2011-12-06 07:46 x
確かに「都合の悪いことは曖昧に」というところがありますよね
ごまかす相手に本当のことを告げたら「はっきり言い過ぎだ」と責められたこともあります
でも、はっきり言わないとわからないでしょうと返すと「それが日本語だ」と
でも、曖昧さで「暗に攻撃」したり「体のいい意地悪」したり…
そちらの方がひどく陰湿で、相手の人格ないがしろにしてる気がするのですが。
何も何でもかんでもいうのではなく、ここぞという時だけは、
はっきり言ったほうが相手のためになると思うこともあるのですが。
日本では通用しないのでしょうか。

Commented at 2011-12-06 12:35 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2011-12-06 21:42
船長さん:
この陰湿さこそ、「日本の品格」と呼びたいですね。
Commented by n_shioya at 2011-12-06 21:44
愉吉さん:
ありがとうございます。
偏執狂的なところがあり、学会でも迷惑しています。


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