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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ついに観てしまった。
何を? ヘルタースケルター。 前評判のわりには上映が始まると賛否こもごもと言うか、否の方が多いようで迷っていたが、やはり観てよかった。と言うのは僕はあちら側と言うか、「背徳のメス」を振るう側だったからである。 永年美容外科に携わってきて、何時も疑問だったのは“何故、これまでして「キレイ」になりたいのだろう”という思いだった。 「キレイ」でありたいのは分かる。だが、一歩踏み出して自分の体にメスを入れる。これはよほどの覚悟であろう。 しかも現実に、この映画の主人公のように、後から後から手術を繰り返す患者も少なくない。われわれはこれを「ポリサージャリー」と呼ぶ。 その中には、思い通りの結果が得られても、更に手術を希望する患者も居る。これには「醜形恐怖症」と言う病名まで用意されている。 筋書きは荒唐無稽で映像はシュールであるが、そこが僕は気に入った。 美容手術にはまり込む女性の気持ちを、あえてグロテスクに描き出しているからである。 さすが蜷川の娘である。 そして美容手術に嵌まる女性の心理に対しての僕の疑問に、納得のいく答えが用意されていた。 “彼女等は、「キレイ」になりたいというより、「キレイ」と言われたい“のだと言う事を。 そして永遠に鏡に問いかける。 “鏡よ、鏡”と。
by n_shioya
| 2012-09-08 21:03
| 美について
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Comments(4)
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HOPE
at 2012-09-09 13:05
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キレイになりたいというよりキレイと言われたい
確かにそうかもしれません それで一番厳しい目が自分の中にあったりすると悲惨かもしれません
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ランスタンドゲラン
at 2012-09-09 18:41
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この映画では女優さんの件で話題になりましたが、約20年前にこの漫画を通してキレイの本質を見抜いていた、原作者の岡崎京子さんの比類な才能を改めて認識できる作品となりました。岡崎さんは、この作品をお描きになった後、ひき逃げ事故に遭い、一命をとりとめたものの重度の障害を負ったそうです。現在は穏やかに静養されているようですが、今だったらどんな作品をお描きになるのでしょうね。きっと厳しい女性目線で世間の女性たちをうならせ、支持される鋭い作品でしょうね。
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n_shioya at 2012-09-14 22:33
HOPEさん:
そういう事のようですね。
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n_shioya at 2012-09-14 22:34
ランスタンドゲランさん:
原作の方を評価される方が多いようですね。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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