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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
パリは燃えてるか?
“ デザートはいかがされます?”
“プロフィテロールを”。メニューを覗いて僕は答えた。
“ クラシカルなお好みで”、とマネジャーはにやりとした。
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酒があまり飲めない僕にとって、デザートはメインと同じように重要案件である。
プロフィテロールは好物の一つだが、ヌーベル・キジーヌがはやり始めてから、メニューに入れているところは少なくなってきた。
このプチ・シュウのピラミッドにチョコレート・ソースをたっぷりとかけたデザートを口にする時、第二次大戦末期、パリ陥落の前夜がまぶたに浮かぶ。

すでに連合軍が完全にパリを包囲し、明日は総攻撃という前の晩、パリ守備軍のドイツ司令官コルテツは宿舎のホテル・ムーリスに部下を集め、最後の晩餐会を催した。
そのときにメニューが残されている。そしてデザートはプロフィテロールだった。
じつはこのとき彼が、重大な決意を秘めていた。
連合軍に奪還される直前に、パリを爆破せよという、ヒットラー総統の命令を無視するという決断である。
爆薬はすでにパリ全市街に仕掛けられていた。
忠実なドイツ将軍ではあった彼は悩み続けた。彼はだが同時に人類の財産としてのパリを守らねばとも信じた。この芸術品ともいえる都市を破壊すれば、今後何世紀にも亘って彼はその蛮行の責めを負うことになるだろう。
翌日、パリ陥落のほうを受け、ベルリンの地下壕からヒットラーは叫び続けたという、「パリは燃えているか?」と。
だが、コルテツ将軍の決断がパリを救った。

プロフィテロールが来た。
プチ・シューの中のバニラアイスクリームと、少しビターなチョコレート・ソースとの絶妙な絡み合いを味わいながら、僕はコルテツの家族に思いを馳せた。
どのような運命が家族を襲ったか、当然コルテツは覚悟していたはずである。
だが、彼はパリを救う道を選んだ。その後の彼と其の家族の運命はご想像に任せます。
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by n_shioya | 2013-02-02 20:49 | コーヒーブレーク | Comments(2)
Commented by HOPE at 2013-02-03 20:04 x
心ある賢者が必ずしも幸せになるとは限らないこの世の不条理というところでしょうか?
Commented by n_shioya at 2013-02-06 10:16
HOPEさん:不慮の事故後に考え続けた事は“不条理”の一言でした。


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