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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
「ゴーストライター」
毎日結構な数の方が、このブログを愛読してくださっているようである。
有難いお話だ。
じつは、ワープロが生まれるまで、僕は作文をしたことがなかった。つまり文章を書いたことがなかったのである。
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小学生の頃、初めて作文の宿題が出て、題はその前の週末の花火大会だったと思うが、何をどう書けばよいか分からず、夜中まで机の上の原稿用紙と格闘したが、3行以上は進まなかった。
見かねたお袋が鉛筆を取り上げ、さ、さっと10分ほどで仕上げてしまった。
自筆で書きなおし、翌日それを提出したところ、なんと(秀)だったか最高点をもらってしまった。
こうなるともう引っ込みが付かない。作文はすべてお袋がゴーストライターを務めることとなった。そして僕は一行も文章を綴らずに、作文では(秀)を取り続けた。

ところがある時、作文の全国コンクールが行われることになり、僕が選ばれてしまった。
“お前がこの学校の名誉を担っているんだぞ、立派な作品を書き上げろ。”
そういってから先生は僕を手招きして、耳元でこうささやかれた。
“でもな塩谷、お母さんにあまり難しい言葉を使わぬように頼んでな。”
先生は先刻ご承知だったのだ。

さて、中学以降は戦後のどさくさで、作文免除の学生生活が続き、医学部を出るとすぐアメリカに留学した。
ここではカルテの記載も手術記録もすべて「秘書」に口述か、ディクタフォンに吹き込めばよい。
ことに「秘書」の存在は素晴らしい。
何とかかんとか、と僕が片言の単語を羅列するとそれが、立派な英文にタイプされて帰ってくる。
これを続けていると条件反射とは恐ろしいもので、ブロンドの美人が、すらりと伸びた足を組んで横に座ってくれないと、片言の単語さえ浮かばなくなってしまった。
もっとも片脇にいればいるで、そのすらりとした足の付け根のほうに妄想が走って、これもまた仕事にならなかったことも確かだが。

文章だけではない。僕は“稀代の悪筆”である。
自分で書いた字でも、10分も経てばもう読めたものではない。
それがワープロの出現で一変した。
僕が打っても、きれいな活字になってプリントされてくる。
しかも適当に単語を並べ、あれこれ入れ替えたり、繋いだりしているとなんとなく文章らしくなってくる。

そうして恥知らずにブログまで手がけるようになり、毎日フェース・ブックに「書き込み」を続けるまでになったが、不幸にしておふくろは十年ほど前に他界して、読んでもらうことは出来ない。
でも、そのほうがいいかもしれない。
もし読めたら、この「書き込み」にもめったやたらに朱が入り、挙句には“あんたじゃ駄目、私が書いてあげる”と言いかねないだろうから。
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by n_shioya | 2013-02-18 22:10 | コーヒーブレーク | Comments(5)
Commented at 2013-02-19 05:21 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 3733 at 2013-02-19 06:42 x
本当にいつもクスッと笑ってしまいます。
笑わせてくれてありがとう♪
先生の傍にいる人は楽しいのでしょうね。
私もそんな人になりたい。
Commented by n_shioya at 2013-02-19 21:06
miyamaeaさん:有り難うございます。お幸せそうで何より。フィレンツェ、素晴らしいですね!一度はトスカーナに長期ステイしたいと思ってます。
Commented by n_shioya at 2013-02-19 21:07
3733さん;有り難うございます。でも,いいのはソトヅラだけかもしれません。
Commented by HOPE at 2013-02-19 22:14 x
スミマセン
大笑いしてしまいました…


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