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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
「我らが生涯の最良の年」
この題名を聞いて、あ、あの1946年のアカデミー賞を獲得したウィリアム・ワイラー監督の評判作、主演男優賞はフレデリック・マーチだったなあ、など思い出される方は、淀長さん並の映画おたくか、僕と同等以上の高齢者の方に違いない。
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あの頃は今と違い、年にわずか2,3の名画が輸入され、まず、一つの映画館だけでロードショウとして数ヶ月公開され、そのあとに一般の映画館に降りる仕組みだった。
最初のロードショウは確か、ガーシュインの生涯を描いたアメリカ交響楽(原題: ラプソディー イン ブルー)で、1945年の封切りだったと思う。
ワイラーの作品は第二次大戦が終わり、めでたく我が家に帰還した三人のアメリカ軍人の物語で,戦場から本国に戻った三人それぞれの、家庭や社会適応への適応にもたつく、ほろ苦いストーリーだったような気がする。

筋立てから言うと、定年で突如家に常勤することになった、日本の企業戦士の社会適応の諸問題に通ずるところがないでもない。
だが、見方を変えれば定年後の今の生活は、「わが生涯の最良の年」であるとストレートに僕は言いたい。

まず、時間はふんだんにある。しかも責任は負わされていない。つまり、自分の興味の赴くまま、自由に予定を組み行動できる、誠に恵まれた立場である。
例えば「学会活動」。
現役の時は学会に出席しても、いつも舞台裏のコチョコチョした永田町顔まけの政治に引きずり回され、ろくに演題すら聞くことが出来なかった。
それが今はどんな演題でもじっくり聞き、多少ピントはずれの質問も年に免じて許してもらい、挙句にはさまざまな関連学会にもノコノコ出かけて、ド素人の質問で皆をはらはらさせる。

好意的に言えば年の功で、各専門分野でばらばらに論議される新知見を、ジグソーパズルのようにつなぎ合わせていく発見があり、好奇心の対象は鼠算的に増えていくので、もはや収拾がつかなくなってきたほどである。
好奇心というと聞こえはいいが、ようするにミーハーに過ぎないことは自分でもよく分かっている。
年甲斐もなく、と顔をしかめないで、老人に残されたわずかの楽しみだと、寛容の心で接していただきたい。

ところであのワイラー監督の名画だが、その後すぐ消えてしまい、再演されることはなかった。
三時間という長さと、戦争終結による復員という、その時期にしかアピールしない主題だったからだという。
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by n_shioya | 2013-03-19 19:55 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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