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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
健在なり「白い巨塔」
それにしても先日の褥瘡研究会での訪問看護師さんの発言はショックだった。
こういうことだ。
“受け持っている患者の一人に褥瘡が出来た。いわゆる「壊死」といって、皮膚の全層が完全に死んでしまってるので、取り除かないと感染を起こす状態だった。
そこで担当の医師にそれを告げると、かさぶたを作って治っていくのだから、そのままにしておくべきだといって、処置をしてくれない。
其の内に感染を起こし足がはれ上がって、高熱を発したところ、これはインフルエンザだから、といって内科に入院させた”
という。
信じられないような話だが、最近いろいろな事例を見聞きし、いまだに医学のいの字も知らない医師が、まだわが国では横行している現状を知っていると、さもありなんと思えてしまうのが恐ろしい。
健在なり「白い巨塔」_b0084241_2138555.jpg

数年前「白い巨塔」というドラマがリメークされて、人気番組になっていた。
あれは、そもそも50年前の医学部紛争に端を発して、全国に広がった学園紛争の頃の山崎豊子の原作である。
メインテーマは教授選にからむ大学病院での権力闘争と、やくざの世界よりも締め付けの厳しい医局という徒弟制度に頼っている、わが国の医学教育の後進性であった。
それが今になって、人気番組に復活したということは、この50年、日本の医学界の権威主義は何も変わっていないということになる。

看護師の発言に戻ろう。看護師は法律上、医師の指導の下に医療に従事することになっている。
今のように、指導する医師が其の能力に欠陥がある場合、それを是正するのはわれわれ医師側の責任ではないだろうか。
最近頻発する医療過誤の例を見ても、根本的には医学教育のドラスティックな改革が必要だが、とりあえずこのような現場からの訴えに対し、われわれ医師側はどう、反省、対処すべきか。

なぜ50年前、徹底的な医学教育の改革がなされなかったのか。
いまさら悔やんでも始まらない。
ただ、あの訪問看護師さんの悲痛な叫びを無駄にしない様、今、何が僕に出来るかを模索している。
by n_shioya | 2013-05-15 21:38 | 医療全般 | Comments(4)
Commented at 2013-05-15 22:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2013-05-22 11:11
ローズマリーさん:褥瘡の敗血症には、所謂ラップ療法も原因のことがあるようです。
Commented by 五十嵐 at 2013-06-15 19:52 x
続けて失礼します。
私は卒後東病院神内に志願し配属されましたが、学生時代から神経難病の方のためのこコミュニケーションデバイスの研究開発を独力でしており、卒業前に一時的な完成を見ました。幸いにも各社より報道されましたが、、、大学病院の対応は「圧殺」でした。仕方なく早々に退職、その後苦難の道のりを歩み続けています。我らが大学もまた白い巨塔を内に持っています。
Commented at 2013-06-15 20:03 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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