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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
ただ憧れを知る者のみ
医師でもあったドイツの文学者ハンス・カロッサは、一連の自伝小説で若き日の想い出を「美しき惑いの年」と題して綴っている。
其の「美しき惑いの年」に“仰ぎ見る師”に出会えた者は、其の師を一生の宝として人生を歩むだろう。
僕にとっては「ビルマの竪琴」の著者である竹山道夫先生がそれである。
たった一年だが最後の一高生として受けた教えはいまでも尊い財産である。
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七メンドクサイ文法などはフッとばして、ひたすらハイネの詩や、ゲーテの名作などを御自分で朗読される。
とりわけゲーテの「ウイルヘルム・マイスター」は印象深かった。
其の中のミニヨンの歌、 “ただ憧れを知る者のみ”などをシューベルトのメロディーで口ずさみながら、“要するにこれはゲーテ、いやドイツ人すべてのロマンティシズムですな”、など照れくさそうにぼそぼそと付け足す。
其の時先生はご自身の「美しき惑いの年」を反芻されていたのだろうか。
死ぬまで憧れを持ち続けた先生の口癖は「見て、感じて、考える」だった。

そして今度、竹山先生の女婿である平川祐浩東大名誉教授が、先生の伝記を刊行した。
題して「昭和の時代と竹山道雄」。
此の500ページの大部の書は竹山先生の全貌を描いて余すところ無く、絶滅にひんする「教養主義」、そしてその頂点に立つ竹山先生への燦然たるオマージュである。
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by n_shioya | 2013-06-02 21:46 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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