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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
最後のチャンス
以前のベルリン滞在中、半日市内観光に頼んだタクシードライバーはなかなか良いガイドで、ただの名所めぐりだけでなく、歴史や文化に詳しく勉強になった。
三度目のベルリンだったが、東の復興は目覚しい。再建の槌音と共に、政治経済の中心すでに西から移っている。
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昼飯時になったので、どこか最も庶民的なドイツ料理を、と所望して案内されたのが、「レッツテン・インスタンツ」というビアホール兼レストランだった。
まず、黒ビールで乾杯する。次に出てきたのは巨大なロールキャベツ。そしてお決まりのジャガイモ。
ドライバー氏の説明では、「レッツテン・インスタンツ、最後のチャンス」という名前の由来はこうだ。
隣にあるのが裁判所。そこで判決を受けた衆人が、刑務所へ移送される前に口にできる最後の娑婆の飯という意味だそうな。
なるほど、だから肉も巨大な塊なのか。
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“最後のチャンス”の後はユダヤ人街、元のいわゆるゲットーへ案内された。すっかりモダンになった集合住宅街で、中にはブティック、レストラン、芝居小屋まである楽しげな一角だ。
だが、その住宅街の出口で、ドライバー氏が足元の敷石を指差した。10センチ四方の銅版が何枚もはめ込まれ、一枚一枚に名前が刻み込まれている。
大戦末期ここに住んでいて、アウスシュビッツに消えた子供たちだという。
犯した過ちを絶対風化させないこの強固な意志。
「歴史に目を閉ざすものは、ふたたび過ちをくり返す」というあのワイゼッカー大統領の格調高い演説が鳴り響いてくるようであった。
そして“自虐的史観”と叫んで過去を風化させようと躍起になっているわが国の政治家と思い比べたのであった。
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by n_shioya | 2013-08-02 20:47 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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