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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
ハグの効用
ジョン・ベリーも変わった奴の一人だ。
僕がレジデントをしたオルバニー大学の研修施設のひとつである、オルバニー退役軍人病院、通称VAホスピタルの泌尿器科部長である。
もう60近い、小柄で白髪の爺さんだった。
ツケツケものを言うが、人はいい。
が、手術は下手くそだった。
彼が前立腺の手術をやると、括約筋を駄目にして、ほとんどが尿失禁になってしまう。
そこで彼はシリコンを細工して弁のようなものを考案し、それを埋め込んで失禁治療に成功を収め、全米に名が知られ、招待講演で各地を飛び回るようになった。
人間、なにがプラスするか分からぬものである。
ちなみに彼は専門医の資格も持っていなかった。

彼の悪い癖は“つまみ食い”だった。
文字通り、患者食を掠めて、昼飯代を節約するのである。
誰かが見張っていたのか、あるとき、病院から一年分のくすねた昼飯代を請求され、“情けのない奴らだ”と憤慨してたことがある。
また、患者の持ち物にも目をつけた。
気に入った毛皮のコートを見ると、“あんた、それは重そうで体に悪い。わしが預かってやる”とか、“其のブレースレットはお前には価値が分からん”など勝手なことを言ってせしめてしまう。

僕が帰国して数年後、彼が観光で日本に来て、僕のいた大学病院の外来に突然現れた。
例の毛皮のコートを纏い、外来の待合室で大勢の患者の前で、“やー、元気か!”と言って抱きついてきた。それもロシヤ風のベア・ハグである。
だが、こちらも懐かしかった。
そして思い出した、彼から言われたことの中で、唯一守ってきたことを。
“お前な、神さんを一日に一度はハグして(抱きしめて)やれ。それが夫婦仲の秘訣だ。結婚なんて理屈じゃあない。”
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其のご利益か我々は、結婚以来不思議と一度も喧嘩もせず、今年で結婚56周年を迎えた。
だが最近僕も年相応に認知症が進んだのか、配偶者と他の女性との区別が怪しくなり、別の女性をハグすることがママ?あるが、他意はないのでお許しいただきたい。
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by n_shioya | 2013-10-08 22:38 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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