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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
グローバリゼーションの正体
b0084241_21271444.jpg今グローバリゼーションの津波が世界を飲み込もうとしている。
それはとりもなおさずアメリカナイゼーションであり、その中核にあるのは市場経済のようだ。
能力主義の自由競争というと聞こえはいいが、本質は弱肉強食の世界である。
アメリカンドリームの影には、それに押しつぶされた多数の人間がいるということも忘れてはならない。
医者の世界でもそうだ。若くて仕事がバリバリできるうちは天国である。が、いったん老いぼれれば、過去にいかほどの業績があろうと、弊衣のごとく見捨てられる恐ろしい競争社会である。

昔僕がレジデントをしたオルバニー大学病院の関連病院の一つに、退役軍人病院いわゆるVA ホスピタルというのがあった。
VAは退役軍人の全国的な組織で、各地に病院も運営し、詳しい仕組みは知らないが、メンバーは無償に近い形で医療が受けられた。
どういうわけかこの病院の部長クラスは、若くても退役医師とでも呼びたい無能とは言わないまでも無気力な医師が多く、その分大学病院から派遣されるレジデントが思う存分腕が振るえる、格好な研修の場であった。

僕が大学病院の外科のレジデントとして研修に廻ったとき、VAの外科の部長は年配の好々爺で、もう自分では手術もせず、研究、教育もあまり熱意が無く、タダ安穏な生活を楽しんでいる、レジデントにとってはありがたい存在だった。
だが、大学の外科部長はこれでは研修にならぬと感じたようである。

VAの常勤医師は終身雇用で首にはできないようである。
その時の大学の外科の教授は小泉流のドライな男であった。
その老外科医の上に、若いやり手の外科医を据えた。
やがて老外科医は自発的に退職して、マンハッタンのアパートに移り住んだ。

その老外科医がアパートでガソリンをかぶって焼身自殺したというニュースが伝わってきたのは、それから半年後のことであった。
僕は老いた獅子が、若い獅子に蹴落とされて行くという弱肉強食の動物の世界を見せ付けられた気がした。
毎日のように報道される鉄道の人身事故のニュースを耳にするたびに、僕はあの不幸な老外科医を思い出す。
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by n_shioya | 2014-01-19 21:27 | コーヒーブレーク | Comments(3)
Commented by マッツ at 2014-01-19 22:23 x
グローバル化の本質は私も弱肉強食だと思います。大多数の『普通の市民』は、不幸な結末を迎えることでしょう。中流階級がいきなり世界の労働力との競争にさらされて、貧困化するということですし、才能とガッツのある途上国の若者と普通の先進国の丸腰の人とがガチンコの競争をして、これまでは日の目を見なかった前者がチャンスをつかむという下克上的なサクサスストーリーが成り立つとも言えます。

大変な時代ですね。
Commented by n_shioya at 2014-01-21 08:28
マッツさん:昔ソビエトが崩壊したとき、「共産主義という歯止めを失い、これからは抑止の聞かない資本主義が跋扈する」と警鐘を鳴らししたのが誰あろう、ジョウジ・ソロスでした。よく言うよ、と呆れたものでした。
Commented by みや at 2014-01-25 01:15 x
医者の世界は年功序列かと思っていましたが違うのですね。
小泉首相の頃から民営化・非正規雇用が増え格差が広がりました。今思えばグローバリゼーションの影響が出始めだったようです。
TPP参加で医療もグローバリゼーションの波に呑まれるのでしょうか…。


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