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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
クラスメートの死
この春又一人、クラスメートを失った。
佐藤登志郎君 享年84。
北里柴三郎の孫で,計量医学を専門とし、北里学園の理事長も務めた。
今月の学園報に寄稿した追悼文をアップさせて頂く。
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「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と学祖福沢諭吉先生はいわれたが,これは人が平等の権利を有することを言ったので、残念ながら人の資質は決して平等には与えられていない。
人の器量などその最たるものと言える。
其の点でクラスメートの中でも佐藤君は抜きん出ていた。峰々に例えれば最高峰と言ったら言い過ぎだろうか。僕などのその麓をうろついている落ちこぼれだったが。
佐藤君との出会いは65年程前、東大の教養学部でであった。
課外活動の一つで,当時日銀の顧問をされていたライカー女史の「シュンペーターの輪読」のグループで一緒になった。
その自己紹介の席で,それぞれが趣味は読書,テニスなど述べたのに対し,彼は”自分の趣味はthoughtである“と言った。
“thought?”
“ああ人の考え,「思想」かな”と皆を煙に巻いたのを昨日のことのように思い出す。
その後彼は,当時台頭したノバート・ウイナーの学説に夢中になり、又皆を煙に巻いた。これが今や日常生活にも欠かせないコンピュータの初期の理論であったと、後で我々は知ることになる。
医学部に進むと彼はますます頭角を現す。
何時もマンネリの授業の先を行っていた。
簡易なアンチョコでごまかす我々と違い、彼は英独仏の原書に当たり,しかも最も大部の教科書を,まるで僕などが特大マックを齧るように,楽しそうに読みふける。
北里大学での彼の働きについては改めて言うことはないだろう。
彼の優れたところは人の話しをよく聞くことであった。その真摯な聴き方に話し手が自分の意見に賛成してくれたとややもすると勘違いし、その後思い通りに彼が動いてくれない時に,裏切られたと思ったとしても彼の責任とは言えないだろう。
闘病生活の最後の2年間,彼は何を考えていたのだろう。
いずれ又向こうで再会しその話も聞けるだろうが、又こちらは煙に巻かれるだけだろうか。
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by n_shioya | 2014-10-06 18:15 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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