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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
処理せずに感じること
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何を言いたいのか、うまい言葉が見つからないで困っている。
あえて言えば、「処理」ではなく「感じること」ということだろうか。
そう、子供の時はもっと素直に「好き嫌い」を感じたものだった。
それが長ずるに従い、広い意味での「社会規範」に適応して、「感性」を失っていく。
そして競争社会で生き延びるために、いかにデッドラインに間に合わせるか、いかに効率よく処理するかという悲しいサガが身についてしまう。
またよく芸術について「鑑賞する」という言葉を使う。これもおかしいのではなかろうか?芸術は感じれば良いので、「判断」を持ち込むのは評論家に任せれば良い。
だが最近、左脳の圧政から右脳が解放され、若いときと同じように素直に感ずることができるようになってきたのはありがたい。これも老化の恩恵だろうか。
これまでも時折その気配はあった。
たとえばシューベルトの「美しき水車小屋の娘」の終盤近く、「萎める花」に差し掛かると、思考は停止してひたすら主人公の悲哀に吸い込まれ、不覚にも涙が溢れてくる。
「冬の旅」はもっとタチが悪い。時には冒頭から、小川に沿った雪道を一人行く主人公が瞼に浮かび、初めから終わりまで泣き続けてしまう。
ま、脳科学者に言わせれば、認知症で大脳の抑制が取れて、「感情失禁」を催しているだけかもしれないが。
by n_shioya | 2016-07-24 22:54 | 美について | Comments(0)


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