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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
父よ貴方は強かった
4年前、親父が百歳の現役ゴルファーとして評判になった時、僕までが取材を受けたことがある。
今日たまたま、ゴルフダイジェストの宮野編集長が、こんなのが見つかりましたよとコピーを下さったのが、当時バンブーという言う雑誌に掲載された、「親父を語る」といった趣旨の記事であった。僕には思い出深い記事なので、多少長くなるがここに全文を載せることにする。

「親父について一言で言うと“変わり者”ですね。でもいわゆる一般的な意味での変わり者と言う表現ではない.しいて言えば預言者とでも言うか、親父の言うことは二、三年早すぎるんです。
昔から親父は玄米菜食を徹底していて、僕も生まれた時から親父に甘いものや肉は毒だといわれながら育った。チョコレートなんか中学まで食べさせてもらえませんでした。食卓には玄米しかなく、味付けで誤魔化すのはよくないということで、野菜も二分炊きで味をつけない。時々祖母が袂から「信男に見つからぬようにこれを食べな」とお菓子を差し出してくれたので、かろうじて普通の生活が出来たという感じです。

又完全食といいまして、柿やリンゴなどは皮を剥かず全部食べなくてはならない。子供の頃は変わった生活をしているとは思いませんでしたが、大学の時軽井沢の友達の家でご馳走を食べさせてもらって、「おまえいままでなにを食っていたんだ」ということになって、毒が如何に美味しいかというこことが分かって、一生食べ続けても償いきれないと思いました。

僕がアメリカから戻ったのがちょうど東京オリンピックの年なんですが、当時はまだ公害と言う言葉すら定着していなかった。その頃、東京の下北沢のあたりに住んでいて、環七の内側だったので排気ガスがひどく、親父は「こんなところは人間の住むところではない」と常々危機感を抱いていましたね。

自然食にしても大気汚染にしても、親父は言うことが早すぎる。だから家族には余り理解されなかった。僕も仕事でサプリメントや玄米の研究に携わるようになって、やっと親父の言っていたバランスの取れた食事は大切だったんだなと見直しました。
預言者であるキリストも故郷では受け入れられなかったと言いますからね(笑)。

親父は子供の頃は殆ど家に居ませんでした。朝六時ごろに起きてすぐ診療を始め、午後二時までに百人の外来を診て、それから往診にでて真夜中に帰ってくる。平日はまず見ることがない。だから普段からしかられることも少なく、医者になれともぜんぜん言われなかった。

父親の仕事は嫌いになるか、それをするかのどちらかで、ニュートラルに見れることはないとお思います。僕は医者になる気は全くなかった。でも大学を受けるときに「つぶしがきくからいしゃになれ」と叔父に言われて、医学部を受けたんです。医学部に言ったらもう医者になるしかない。親父は何も言わず、医者になることにも反対しなかった。

親父のようになろうと思ったことは全くないですね。非常に意志が強い人ですが、常人にあれだけのセルフコントロールは出来ないですよ。昔から玄米菜食を敢行し、酒、タバコは一切やらない。自分が100歳までゴルフをやれるのは特殊な呼吸法を実践しているからと言っていますが、それも簡単に毎日できるものではない。意志の強さは人間離れしていますね。

今年に入って始めて親父が自分の年齢のことで弱気になりました。ゴルフも来年はお前といい勝負になるから始めろと。一緒に回ってやりたいなと思ってましたから、今年から始めようと考えてます。弱音を吐いてやっと人間らしくなったんじゃないでしょうか。親父にはもっと肩の力を抜いて生きて欲しいですね。」

親父が脳梗塞と大腿骨骨折で寝たきりになったのは、ちょうどこの記事が出てまもなくだったとおもう。
そして僕がゴルフ習いい始めたのは、ちょうどそれから4年目のこの夏である。
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by n_shioya | 2006-10-26 21:52 | アンチエイジング | Comments(2)
Commented at 2006-10-28 00:19 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2006-10-29 17:03
自分では奇をてらうつもりはなく、全くの自然体なのですが、配偶者から観るとおっちょこちょいの権化らしく、医学界の新庄といわれぬよう、何時も手綱を引き締められます。
と言うわけで、我が家のデスクの検閲を通るぎりぎりの線で、楽しい本ができればと思います。


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