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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
研究の自由
某医大の薬学部長に就任した従兄弟から、一通のメールを渡された。
ライフサイエンス領域の研究環境の悪化を憂えた日経BPの某氏が関係者に配布したメールのコピーである。

いささか悲憤慷慨が過ぎて、論旨がいまいちはっきりしない感があるが、基礎研究に関する問いかけがいくつも含まれているのでここに列挙してみると、

1 大学における競争原理とはなにか。企業の競争原理と同じでよいか?
2 研究論文の評価に掲載誌のインパクトファクターは適しているか。
3 過去の研究の確認、つまり知恵の継承の重要性。
4 科学の社会的貢献はこうあるべきとの論陣を大学人が主唱せよ。
5 以上を検証して、必要な措置をとるべく行政を指導せよ。

これらすべて相関があり、しかもどれもがそれだけで論考に何時間もかけられる重大な命題である。

ここでチョッと視点を変えて、逃げではないが基礎研究についての私見を延べることにする。

まず研究は誰のもの
研究者の好奇心の満足か、人類のためか。僕は単純に研究者の遊びと考える。またそれでなければ自由な発想は生まれない。ただしその成果関して、人類に対して正と負の責任は生ずるが。
たとえば原子の火について言えば、原子力の恩恵にもかかわらず、原爆のもたらした悲惨さは、フェルミ、オッペンハイマーらが担うべき十字架である。

今またダーウィンの自伝の一節を思い出す。
彼が生物学、その頃は博物学だったかもしれないが、に進もうか迷ったとき、莫大な遺産が約束され、一生道楽が出来ると知って生物学を選んだと述べている。

つまり基礎研究は本質的に道楽で金食い虫である。ただもてあそぶことが楽しければよい。その結果がものになるかならぬかは賭けである。
ベンチャーキャピタルというのは、その賭けにかける資金であり、確実な見返りを期待したらベンチャーではなくなる。
逆に絶対の成果を要求される、つまり競争原理の君臨する研究は企業の研究であり、基礎研究の対極にあるといってよい。
そして国家予算はもっと一見無駄に見える研究に割くべきで、そのほうがケインズを騙る確実に無駄な公共投資より、はるかに税金は生きるであろう。

これは理想論といわれるかもしれない。
この辺のバランスの取り方そして妥協の限界がこれからの課題だろう。
だが、この辺が混同され、競争原理に振り回される恐れを、日経BP子は訴えたかったのではなかろうか。
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by n_shioya | 2007-05-04 19:47 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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