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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
今日は耳鼻科学会の東京部会で、アンチエイジングのお話をさせていただいた。
場所は丸の内の商工会議所。 200人余の参加者が僕の取り留めのない話を聞いてくださった。 取り留めのないというのは、一つには準備不足もあるが、コンピューターの落とし穴でもある。 終わって会長に、まとまりがなくてとお詫びしたら、いや皆さん熱心に聞き入って、居眠りしてる人は一人もいませんでしたよ、と慰めてくださった。 例えお世辞にしても、居眠りがないという具合に具体的に言っていただけるとほっとする。 さて、コンピューターの落とし穴とは? 最近の講演はパソコンでパワーポイントというソフトで、プレゼンするのが常識で、もはやスライド映写は文字通り前世紀の遺物である。 このパワーポイント、画面のアニメーションだの、動画の取り込みなどいろいろな芸当が出来すぎ、又スライドより切り替えが早いので、つい芸当に凝ったり、画面をめまぐるしく切り替えたりして、観ている方は消化不良になったり、芸当に気をとられたりして肝心の内容が頭に残らないこという事態もしばしば起こる。 昔、スライド映写の頃、一分一枚、つまり一時間の講演なら60枚を限度とせよ、と言う常識があった。もっとも、この常識を守る演者は稀有であったことも付け加えておこう。 いくらパソコンの映写技術が進歩しても、受け止める人間の脳力はスライド時代とあまり変わっていない。 その意味で芸当はなるべく控えめに、画面の数も一分一枚程度に抑えるべきと、僕は若いものには煩く言う。 しかも内容は、こちらがしゃべりたいことでなく、聴衆が聞きたいことを話せと口うるさく行っているのだが。 これが自分のこととなると、いつもあれも見せたい、これも話したいとすぐに膨れ上がってしまう。大切なのは充分準備に時間をかけ、内容も映像も容赦なく切り捨てていき、焦点を絞ることにある。 芸術とはは贅肉をそぎ落としていくことことにある、と誰かが言っていたような気がする。 今回はその為には準備が不十分だった。 しかもこちらは芸術家でないので、散漫な講演になってしまったことはご容赦いただきたい。
by n_shioya
| 2007-06-17 10:44
| アンチエイジング
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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