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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
舞姫
今回のベルリン訪問の大きな収穫の一つは、森鴎外との再会である。
ドイツ三部作、ファウスト、吟遊詩人などの翻訳、晩年の歴史小説など名作を数々を生み出してくれたが、僕は一つを選べといわれれば、やはり「舞姫」を取る。

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4年間のドイツ留学のうち、2年半ほどを鴎外はベルリンで過ごした。その中のある期間過ごした下宿が記念館として保存されている。それは滞在しているホテルから歩いても10分ほどのところにあった。住宅街の角の家で壁にドイツ語で鴎外記念館と書かれている。
フンボルト大学が管理しており、書斎、鴎外関係書の図書室、一部畳を敷いた茶室などがドイツ的に、又鴎外らしく整えられていた。
だが僕が一番心を打たれたのは、鉄の板に刻み込まれた彼の遺言である。
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よく知られている言葉だがあえてここに記す。
「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス宮内省陸軍皆縁故アレドモ生死ノ別カルル瞬間アラユル外形的取リ扱ヲ辞ス森林太郎トシテ死セントス墓ハ森林太郎墓ノ外一字モホル可ラス」

一生“いい子”を演じ続けた鴎外の、心底からの叫びであろう。
ほぼ実話と考えてよい、友人相沢謙吉のいさめで“舞姫”を裏切っての保身。

「ああ、相沢謙吉がごとき良友は世にまた得がたかるべし。されどわが脳裏に一点の彼を憎むこころ今日までも残れりけり。」
このの最後の句は、涙なしには読めない。

鴎外にはほど遠い僕だが、やはり生きていくために妥協を繰り返し、これからも繰り返すであろう同じ人間として。
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by n_shioya | 2007-07-14 23:59 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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