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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
僕の愛車ももうすぐ走行距離12万キロ。
10月で4年になるからそんなものだろう。 さすがベンツ、びくともしないといいたいところだが、このところシフトショックというほどでもないが、時折ミッションがコトリと嫌な音を立てる。 ベンツのミッションは10万から20万キロといわれているから何時何が起こっても不思議はない。だが出来れば15万キロは持ってもらいたい。 そこでミッションを取り替えて更に15万キロ、つまり今の車を30万キロは持たせたいのである。 そのあたりまで行くと、ブレーキ、足回りなど、維持費がかさみ新車に替えたほうが安上がりになるだろうという計算である。 だが車と違って計算どおりに行かないのが人間の体である。 なのに車の定期整備は怠りなくまめに手を入れるくせに、自分の体の定期健診などおろそかにする人が、特に医者に多い。 僕もその一人で、心電図など去年多少不整脈が出て、初めて電極を体に貼り付けてもらった。幸いたいしたことはなかったが。 胸のレントゲンなど、最後にとったのは何時のことだろう。 車もそうだが人間の体も、全身がバランスよく老化して、ある日突然パタンといってくれるのが一番望ましい。 これを行政はピンピンコロリと名づけているが、なかなかそううまくいくものでない。 そこでアンチエイジング・メディシンとしては、ピンピンを保障するために、全身のアンチエイジングドックを行い、どの臓器が足を引っ張っているか、つまり他の臓器に比べ老化が進みすぎているかを浮き彫りにし、そこを他臓器並みに、年相応のレベルまでサポートするのが使命となる。 問題はコロリのほうである。もちろん医師がコロリを可能にするのは簡単だが、これは医療とは認められず、手が後ろに回ってしまう。 車ならポンコツになれば単純に費用対効果で廃車という解決法が取れるが、人の場合はそう単純でない。 すると今、たまたまテレビで在宅介護のドキュメンタリーを上映していた。 東京の下町の二組の老夫婦。 一組は90歳近くの心臓病の妻の介護をする90過ぎの夫。今一組は80過ぎの認知症の母を介護する60過ぎの息子。 下手なドラマよりもずっと見ごたえがあった。 では我々夫婦の老後は? ベンツのミッションの心配ばかりしている自分がなんともおめでたく思えてきた。
by n_shioya
| 2007-09-16 22:16
| アンチエイジング
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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