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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
子猫の死
“ああ、死んじゃってる!”
今朝ごみを捨てに出た配偶者が悲鳴を上げた。

重なったダンボール箱の下のほうに、子猫が二匹、折り重なって冷たくなっている。
2週間ほど前から野良猫が、生後間もない子猫4匹を連れて家の周りを徘徊していた。
夜になるとベランダに戻ってきては、子猫たちはガラス戸越しにこちらを見ては、ミャオミャオとか細く啼く。こちらが目を向けると、母猫がかばうようにキッとこちらをにらみかえす。

先日テレビで、最近急増している嬰児遺棄の特集をやっていた。
その半数近くが、母親が自分で切断したと思われる臍の緒つきだそうである。
どんな苦しい事情があるにせよ、福祉や相談員など受け止め方はあるので、そこにいたるまでに是非助けを求めて欲しい、また子供の頃からもっと性教育をというのが番組の趣旨だった。

が、中には中絶の時期を過ぎたお腹の子をさして、この邪魔な“”をなんとかしてほしいという、胎児を“物”としか思わない不届きな母親もいるという。
猫にも劣る、親猫ににらまれて僕はそう思った。

このところ襲った寒波で、寒さと飢えから子供を守るのに親は必死だったろう。
助けてやりたいのは山々だが、僕はぐっとこらえていた。
そのうちに親猫と子猫一匹の姿を見なくなって、夕べは二匹だけ夜中まで啼いていた。

その二匹を葬りながら配偶者が言った。
“でも、知らないところでもっともっと悲しいことは起こっているのよね。”
そう、この世の中には我々の耳に入らない悲鳴で満ち満ちているのだ、いや、耳をふさいでいるといったほうが正しいかもしれない、少なくも僕の場合は。
by n_shioya | 2007-10-04 22:40 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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