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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
“ああ、死んじゃってる!”
今朝ごみを捨てに出た配偶者が悲鳴を上げた。 重なったダンボール箱の下のほうに、子猫が二匹、折り重なって冷たくなっている。 2週間ほど前から野良猫が、生後間もない子猫4匹を連れて家の周りを徘徊していた。 夜になるとベランダに戻ってきては、子猫たちはガラス戸越しにこちらを見ては、ミャオミャオとか細く啼く。こちらが目を向けると、母猫がかばうようにキッとこちらをにらみかえす。 先日テレビで、最近急増している嬰児遺棄の特集をやっていた。 その半数近くが、母親が自分で切断したと思われる臍の緒つきだそうである。 どんな苦しい事情があるにせよ、福祉や相談員など受け止め方はあるので、そこにいたるまでに是非助けを求めて欲しい、また子供の頃からもっと性教育をというのが番組の趣旨だった。 が、中には中絶の時期を過ぎたお腹の子をさして、この邪魔な“物”をなんとかしてほしいという、胎児を“物”としか思わない不届きな母親もいるという。 猫にも劣る、親猫ににらまれて僕はそう思った。 このところ襲った寒波で、寒さと飢えから子供を守るのに親は必死だったろう。 助けてやりたいのは山々だが、僕はぐっとこらえていた。 そのうちに親猫と子猫一匹の姿を見なくなって、夕べは二匹だけ夜中まで啼いていた。 その二匹を葬りながら配偶者が言った。 “でも、知らないところでもっともっと悲しいことは起こっているのよね。” そう、この世の中には我々の耳に入らない悲鳴で満ち満ちているのだ、いや、耳をふさいでいるといったほうが正しいかもしれない、少なくも僕の場合は。
by n_shioya
| 2007-10-04 22:40
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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