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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
瀬島龍三
瀬島龍三
おぞましい名前である。
山崎豊子の“不毛地帯”に出てくる壱岐正のモデルとされている。
かっての日本陸軍の暗部の象徴のような男である。
この九月に95歳で死亡した。

死者に鞭打つのは趣味ではないが、今日発売された月刊文春の保坂正康の記事を読み、改めてかって瀬島の書いた“幾山河”を読みながら反吐が出そうな思いを繰り返したのを思い出す。

僕が子供時代をすごした昭和の初期の日本は、一言で言えば狂気の世界だった。
軍部の独裁。特高の人権蹂躙。大体人権という言葉すら存在しなかった。
人の命は“鴻毛”のごとく軽んぜられ、軍馬にも劣るものだった。
そしてキーワードは万世一系という虚構な存在を戴く国体だった。その国体の中心人物は、国民に一言のわびもせずこの世を去った。

どんな優秀な軍人でも、また戦後でも吉田茂のような政治家は、かの人の名を出すだけですべての論理的思考は停止した。
国民はすべてかの人のために死ぬことになっていた。当然ながら、日本の軍隊はかの人のためだけにあって、日本国民を守ることは彼らの守備範囲になかった。
その怒りはまだ沖縄で綿々と続いている。

今の北朝鮮と金日成を思い浮かべれば多少は想像できるだろう。でなければ崩壊したイラクのフセイン政権を。

敗戦間近、関東軍はまず身内を帰国させ、一般人を置き去りにして、自分たちも逃げ切った。
国内でも、武装解除された軍人たちが、軍部の隠匿物資を担ぎ出して儲けたのも、“武士道”のなせる業だった。
そして瀬島はソ連と取引をして、わが身の保全と引き換えに、日本軍の捕虜をシベリアに置き去りにしたといわれている。
これは伝聞である。
しかし“幾山河”は、ゆがんだ教育を受けた片輪の職業軍人の、倒錯した倫理観による自己弁護で満ち満ちている。

彼の死によって、すべては闇に葬られた、と保坂氏は嘆いている。
何で日本軍は神話を信ずるアホで、あれほど卑怯者の集団だったのだろう。

僕が“美しい日本”と聞いただけで吐き気を催すのは、このような幼児体験をいまだに引きずっているからである。
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by n_shioya | 2007-10-10 23:23 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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