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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
100ドルのプリムス
歯科治療に加え、眼の治療が始まったため、このところ毎日病院通いが続く。
今日などは、眼科と歯科の掛け持ちでその合間に動脈のエコーが入り、丸一日を病院で過ごすこととなった。
そろそろ僕も、100ドルのプリムスと同じポンコツに近づいたのかもしれない。

アメリカ留学の頃、というのは50年前の話だが、取引可能な中古車は、100ドルが最低価格で、僕が最初に買ったのも、30年経った戦前のプリムスで、やはり100ドルだった。
つまりそれ以下の車は本当のポンコツで、公道を走らせることは無理であり、そのの廃棄処分にはそれなりの金がかかるので、100ドル以下では処分のほうが高くついてしまうからであった。

当然だが年中修理が必要になる。
エンストはするし、そもそもエンジンがかかるかどうかは何時も神頼み。走り始めてもハンドルの遊びは大きく、クラッチもギクシャクする。

そんな中古車に悩まされていた我々の救いの神がアッカートさんだった。
年のころは60ぐらいだろうか、背は低いががっちりした体躯で、たたき上げのメカニックだった。
街じゃら少し離れた田舎にガレージを持ち、我々留学生が持ち込むトラブルに格安の費用で気持ちよく対応してくれた。
今考えると、部品代や工賃などで、決して儲けにならぬどころか、持ち出しでやってくれていたと思う。
しかも修理を待つ間、奥さんがお茶だのケーキだのをご馳走してくれる。
赤ひげ自動車メカニック版といった所だった。

車と違って破損しても老朽化しても、ある程度までは自分でリペアしてくれるのが人間の体のありがたさである。
だが、加齢と共にその修復能力も衰え、限界に達すると医療の助けが必要となる。
こうして僕の体も、白内障でレンズは入れ替わり、歯周病が悪化して抜歯や義歯が必要となり、更には動脈の硬化も起こっている。前立腺も気にならないこともない。もちろん記憶力の減退は以前から著しい。
ちょうどあの100ドルのプリムスと同様に、アッカートさんではないが、頻繁な医者詣でが必要になってきたようである。

そのプリムスは3年ほどで修理費もかさみ走りにも限界が来て、これもアッカート氏に頼んで安く廃棄処分してもらった。
はたして今の僕の体の耐用年数はまだどのくらいあるのだろう、また平均余命を全うするためにはどれほどのメインテナンスが必要になるだろうか、手間や経費を含めて。

一日をクリニックで過ごしたせいか、急に先行きが不安になってきた。
ならばこれからはアンチエイジングに励んでなど殊勝なことを考え始めたのも、往生際の悪い昭和一桁の悪足掻きかもしれない。
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by n_shioya | 2007-12-22 23:57 | アンチエイジング | Comments(0)


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