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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ダボス会議から帰国した竹中平蔵氏は意気盛んである。
何せあの会議でまともに日本の立場を主張できるのは彼くらいだからだ。 福田首相はあの会議の意義も認識して無いだろうし、おそらく話の輪にも加われなかったろう。 英語だけの問題ではない。そもそも“言語不明瞭”だし、“斜に構えて意味曖昧”ではぐらかすことが特技のようだから。 ま、出ないよりましといった存在であろう。 その竹中平蔵氏が今週のサンデー毎日で、“東大民営化”を提唱している。 大賛成である。 現在の日本の政治、行政の混迷は、東大閥に権益が集中していることも一因だし、東大生の堕落にも繋がっている。 40年前の東大紛争は医学教育の改善を求めた、青年医師連合(青医連)の真剣な運動が発端だった。 それに対し、頑迷固陋な医学部教授連中は己の非を認めず、当時の東大総長も無能の極で、騒ぎはエスカレートして民生や全学連など政治運動が絡み、シッチャカメッチャカな学生運動となり、安田砦の攻防戦で学生側は敗北した。 そして医療改革の絶好のチャンスも失われた。 一時は紅衛兵を気取って、おっちょこちょいにも毛沢東語録をかざし、勇ましく“東大解体”まで叫んだ学生達だったが、土壇場では東大生は逃げ出し、安田砦に取り残されたのはほとんど外人部隊だったという。 そこに僕は東大生の限界と卑怯さを見せ付けられた。 僕は東大解体に賛成だった。 東大が消えても、京大や慶応に権力が移るだけでは、と言う反論があったが、僕はそれで結構、権力が分散し、競争原理が働くことが望ましいと感じたからである。 そもそも昔は大学進学はもっと自由で選択権があった。 哲学を志すものは京大、経済界なら慶応、、壮大な気宇にあこがれれば北大、文士になるなら早稲田、弁護士は中央等々。 東大はといえば、権力志向の固まりか、僕みたいに自分の実力に自信が無く、寄らば大樹の陰に身を寄せるような情けない奴の集まりだった。 もっと言えば、あの頃は無理に大学に行かなくてもよかった。 旧制高校という三年間のモラトリュームの期間があり、そこで人生とはんぞやと悩みつづけ、その上で大学に進む意義を認めれば大学にいった。 実際、旧制一高の仲間の中には大学に進学する変わりに、古本屋の親父になったり、蒲焼屋を始めた奴もいる。 そして彼らはそれなりに仲間から尊敬をされた。 だから僕は日本の活性化のために、竹中平蔵氏の“東大民営化”大賛成である。 まず独立行政法人でも続く文科省のくびきを絶ち切って、その上で権謀術策で無く、東大も実力で他大学と競争し、日本の大学全体がレベルアップしてくれることを切望する。 そしてこれが行政改革の根幹にメスを入れることにもなると信ずるからである。
by n_shioya
| 2008-02-24 20:07
| コーヒーブレーク
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Comments(12)
先生、またまた偶然ですが今日の私のブログも竹中平蔵氏に触れたものです。もっとも先生のブログとは内容も頻度も全く比べ物にならないものですが。
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n_shioya at 2008-02-24 22:36
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at 2008-02-25 02:33
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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謎の歌麿
at 2009-03-18 20:38
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竹中先生は東大を民営化すると景気が良くなる。
なんてのが持論ですが、竹中さんや、小泉さんは 日本を壊したんだから、どっちかってゆうと慶応を 廃校にして、こんな変人を二度と世の中に排出さ せない。そのほうが景気には良いように思うのです。
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Ajax
at 2009-04-10 20:38
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n_shioya at 2009-04-10 23:14
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n_shioya at 2009-04-10 23:16
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学生消費者主義
at 2009-08-16 02:20
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私も東大民営化には大賛成です。
学校教育にも民間でできるところは民間でやるべきだと考えています。 (小泉総理のフレーズにもあったように) 私は小学から大学まで公立であったけど公教育というのはやはりお役所根性で貧弱な教育サービスしかなされないということを非常に強く感じています。 公教育に失望しています。 公教育というのは貧乏な人(教育費を受益負担できる能力のない)だけが受ければよいのではないかと考えています。つまり慈善団体の役割ということ。
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n_shioya at 2009-08-16 15:44
学生消費者主義さん:
要は文科省を廃止し、教育には国は金だけ出して口を出さないようにすればずいぶんと改善されると思うのですが。
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学生消費者主義
at 2009-11-21 02:05
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はっきりいってしまえば大学教育・大学授業というのは食品スーパーにあるような商品と同じだと考えています!
(これをいうと怒る教員もいるかもしれないが受講生(学生)は月謝(学費)を払って勉強されにきているのだからひどい授業サービスが許されるほうがおかしい) 塾・予備校では授業を商品のように扱っているのは当然のことです!
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n_shioya at 2009-11-21 10:12
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bon citoyen
at 2011-03-23 21:09
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平蔵さんの郵政民営化には賛成できませんでしたが、東大民営化には大いに賛成です。塩谷先生の勇気あるご発言に敬意を表します。
建国の礎となる人材を育てた開成への投資は、現在、他のところに回すべきだと思います。アメリカの真似は好きではありませんが、東大・京大は私学で良いと思います。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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