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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
エド・マローという男
b0084241_9164550.jpgエド・マロー」の伝記を読み終えた。
昨日の午後そごうの紀伊国屋で手にして、エピローグから虜になり、そのまま家で読み続け、夜中過ぎやっとあとがきを読み終えて、床に入ることができた。

冷やかし半分で本屋を入っても、手ぶらで出てきたことがないのが僕の悪癖である。
全部読めるわけではないので、我が家は読みかけの本で溢れている。
金を払うのは読む価値のあるものだけにして頂戴と配偶者は言うが、それは読み始めてみないとわからないでしょう。
だが十に一つは読み出したらとたんにはまって、そのまま読了する“当たり”もある。
エド・マローは“大当たり”だった。

ラジオ時代からの二ユースキャスターの草分け。
第二次大戦時のロンドン空爆の生々しい実況放送で一躍人気を呼ぶ。
テレビ時代には例の「赤狩り」のマッカシーを引きずり落としたキャスターとしてさらに男を上げる。
そのころ僕もアメリカ留学中だったので、チャップリンオッペンハイマーまで巻き込んだあのアメリカの汚辱の悲劇の記憶は生々しい。

彼に匹敵するのは、ジョンソンにベトナムを諦めさせたウォルター・クロンカイトぐらいだろうか、その報道スタイルは対蹠的だったが。

体制側は本質的に隠蔽を図る。その権力を傘に着た“暴露の抵抗”と戦い、不正を暴くのがジャーナリズムの使命とわれわれは期待しても、時にその戦いは壮絶なものとなる。

僕がこれほどまでにジャーナリズムにこだわるのは、あの過酷な幼児体験のせいであろう。
国民は“菊とサーベル”によって、目隠しをされ、猿轡をはめられ、さらには思考の自由も奪われてしまった暗黒の時代。
あの忌まわしい大本営発表の後遺症で、どんな報道でもまず反射的に眉に唾して自衛を諮る男にとって、真実の報道は可能か?報道の使命とは?そもそも真実とは?どこにそれを求めればよいか?という問いかけは、いまだに模索を続けている大命題である。

日本に今彼らのような気骨のあるジャーナリストはいるのだろうか。
そしてニール・シーハンとボブ・ウッダードを守ったニューヨークタイムスワシントンポストのような経営陣。
このように社の命運をかけても記者を守るガッツが、日本のメディアにあるだろうか?
わが国のように、体制べったりの記者クラブの存在は、ジャーナリズムの自殺行為ではなかろうか。

ハルバースタムの[Power that be(メディアの権力)」ヘドリック・スミスの[Washingotn Power Game]そしてボブ・ウッダードの一連のブッシュ政権もの。
こうしてアメリカのジャーナリストは僕の野次馬根性に掻き立てる名著を次から次へと提供してくれる。
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by n_shioya | 2008-05-22 21:56 | コーヒーブレーク | Comments(4)
Commented at 2008-05-23 02:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by katz at 2008-05-23 22:18 x
マローやクロンカイト、ウッドワードどころかダン・ラザーすらわが国にはいません。そして彼らの存在を支える分厚いジャーナリズムも勿論ありません。読売の立松和博、毎日の西山太一の例を考えても明らかですよね。社会のフェアネスというべきか、このあたりは100年経っても北米に勝てない気がします。残念な事です。
Commented by n_shioya at 2008-05-23 22:38
山路さん:
もし本が読めなくなったら、と考えるとぞっとなります。
Commented by n_shioya at 2008-05-23 22:43
katz さん:
昔朝日の重役に飯を食いながら、単刀直入に経営と真実の報道の二者択一を迫られたら?と聞いたとき、当然のようにそりゃ経営でしょうといわれ、正義の剣は竹光だと知らされました。


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