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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
老年の良識
b0084241_1034786.jpg“また、あの渋ちんを読んでるの?”
中野孝次の「老年の良識」を読んでいるところを配偶者に見られてしまった。

配偶者の意味するところは、別に同じ著者の「清貧の思想」がケチの勧めだからというわけではない。
これまでの著書を読む限り、彼の老年の生き方がいかにも“辛気臭い”と感ずるようである。
確かに極論めいたところもあるが、今の物質と若さの至上主義の時代には苦いが良薬の感もあり、また、旧制高校の教養学派の端くれには、ぴんと来るものがないでもない。

暦の年齢のほかに、誰でも生物学的年齢、人によってはリアルエイジと呼ぶが、と言えるものがある。
しかもこれは人によって幅があり、その幅は加齢とともに広がりを見せる。

それ以上に個人差が広がるのが、人生観というかそれぞれの価値観である。
つまり価値観の多様性を認めることからアンチエイジングは始まらねばならぬ。
だから昨日のテーマの「若々しく生きる」のも価値観の一つに過ぎず、その価値観の所有者にはこういう手法もありますよ、と提示するのがアンチエイジングの役目と思っている。

その点で対極にあると思われる中野孝次の思想を再検討してみたくなったのだ。
今読み返すと、意外に“違和感”がない。これも年のせいだろうか。

要は社会の規範から解き放たれた老年期を“自由”に楽しめ。
だが、老化は誰にも来るもので、無理して抗おうこともない、素直に受け止めよ。
そして自分の体力相応に振舞え。
と言うことのようだ。

そして、各所で徒然草西行の生き方に触れ、また正法眼蔵の著者なりの解説を試みている。
そのエスプリは僕流のアンチエイジングの思想とあまり乖離してないのに驚かされた。
加齢とともに人々の価値観に開きができるが、それ以上に同一人物でも、“考えが変わってくる”ものである。
渋ちん”の著書に違和感を感じなくなったのもそのせいだろうか。

最近良く感ずるのは、その年になってみないとわからないことがいくらでもあるし、これからも出うるだろうと言うことだ。それにどう対処していけばよいか?
今一番自覚しているのは、中野氏とは別の意味で、年を取れば“不自由度”が増すということだ。
これはもっぱらこちらの肉体的条件による。つまり加齢とともに体力は衰え、復元力も弱くなり、行動が不自由になる。

お恥ずかしい話だが、つい最近までは、加齢と言っても数字の増加だけで、己の頭の働きが鈍り、行動力も制限を受けると言うことを、改めて意識したことがなかった。
これを支えるのがアンチエイジングのはずだが。

アンチエイジングの目的はQOLの維持にある、とは常々説いているところである。
そのQOLをどう捉えるか、これこそ価値観の多様性の権化で、ここしばらくの課題になりそうだ。

最後に一言:中野孝次氏は墓場まで旧制五高釣鐘マントを引きずっていった感がある。
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by n_shioya | 2008-06-22 21:18 | アンチエイジング | Comments(3)
Commented by 芙蓉 at 2008-06-22 22:24 x
塩谷先生、こんばんは。
いつも私は奥様のユーモア溢れる切れ味抜群のコメントに、
感嘆の声♪、をあげております。
「渋ちん、...」これまた、いいですね。

さて、もうすでにご存知かもしれませんが、
自然・花・小動物を心から愛し、自給自足の生活を信条とした、
あの、絵本作家のターシャ・テューダーさんが、18日、
米東部バーモント州マルボロの自宅で死去された、とのこと、
享年・92歳。
まだまだそのお元気な姿、拝見したかったものです。

その自然な生き方、奥様と思わず重なるよう...な気がしまして、
本日失礼ながらもコメントさせていただきました。
どうぞ、いつまでも、お二人仲良く、健やかにお過ごしくださいませ。

Commented by n_shioya at 2008-06-22 23:08
芙蓉 さん:
コメント有難うございました。
知りませんでした。
我が家のターシャがどんなに嘆くことか・・・
Commented at 2008-06-23 00:45 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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