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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
僕が8年の留学生活をすごしたニューヨークのオルバニーは、11月末から雪が降り始め、年クリスマスごろは一面の銀世界で、文字通りホワイトクリスマスを満喫できる。
12月に入ればもう、街はクリスマス一色となる。 日本と違いパーティはそれぞれの家庭での集まりが主で、お互いに呼んだり呼ばれたりが12月25日まで続く。 僕たち家族が最も楽しんだのは、オルバンーの郊外の高級住宅地、ラウドンビルのマッキニー家のキャロル・パーティだった。 なだらかな丘陵地には、広い敷地に洒落た豪邸が建ち並んでいて、その庭先の針葉樹にはクリスマスデコレーションが華やかに飾られ、夜のイリューミネーションはメルヘンの世界を演出する。 マッキニー氏は鉄鋼会社を経営する市の名士で、オルバニーシンフォニーのオーナーも兼ねる教養人である。 参加者は4,50人だが、ご招待を受けることは名誉とされている。 集まったゲストはまず、マッキニー家の男の子三人のページ・ボーイの勧めるエッグ・ノッグで喉を潤し、かつ抑制というか羞恥心を取り除いてから、賑やかにクリスマス・キャロルの合唱を始める。 それぞれのキャロルには、マッキニー家伝統の歌い方があるが、それは省くとして、夜半、最後の歌グローリアを歌いながら、皆で地下室に降りて、ミッドナイトスナックにありつく。 今日、「みなとみらいホール」で催された「子供のためのクリスマスの歌の会」に孫のお供で参加し、懐かしいキャロルの数々を聞きながら、あのマッキニー家のキャロル・パーティを思い出すことしきりだった。 懐かしさとともに複雑な気持ちを抱きながら。 あれから半世紀、世界は大変動した。 ロックフェラーセンターにはツリーが賑々しく飾られ、昔のように中庭で皆がスケートを楽しんでいる様子をテレビで見ても、9・11の後では何か虚構の世界のようにさえ感じられる。 キリスト教を唯一無二の文化と考えて疑いもしなかった、古き良き時代。 だが、もはやアメリカに昔日の面影もないし、パックス・アメリカーナには戻れない。 ハッチンソンガ予言した「文明の衝突」が現実のものとなり、イスラム圏との対立が先鋭化してきているせいだろうか。 オバマの叫ぶ“チェンジ!”に僕たちは何を期待したらよいだろうか? キャロル・パーティとはおよそ異質の想念に僕は耽っていた。
by n_shioya
| 2008-12-07 21:22
| コーヒーブレーク
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Comments(2)
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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