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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2006年 10月 01日 ( 1 )
神の手
そう、僕も脳外科医になるはずだった。

米軍病院でインターンを終え、フルブライト留学生にとして渡米が決まった時、脳外科の清水健太郎教授、通称シミケンに相談に言った。
アメリカに行くような奴は俺は採らん、言下に断られた。
それに反し、心臓外科の木本教授はああいいとも、但し日本に帰ったら又新兵からはじめることになるけれどね。

そういう訳でどうせ日本に帰る気はなかったが、木本外科に籍をおかして貰って渡米した。
そして結果的には形成外科医として帰国し、こうして定年まで日本にもたもた居ついていてしまったのである。

今日は東京クリニックの開設記念パーティが大手町のパレスホテルであった。
日本一の脳外科治療のセンターになるというふれこみである。
なぜなら其の中核として、今“神の手”とマスコミでもてはやされている米国在住の脳外科名手、福島教授をお迎えすることになっているからだ。
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最近では脳外科も進歩したが、僕の頃は外科医の憧れる花形の分野だったが、結果は惨憺たるものだった。
昼夜を分かたぬきつい仕事の連続で、結構死亡率が高く、運悪くではない運良く助かっても体や顔面が麻痺して廃人同然になる、まあこれ一生やれるのは、よほど楽天的な奴だな、と言う受け止め方だった。

しかも脳外科医にはこちらの偏見かも知らないが、特にアメリカでは結構傲慢な奴が多かった。手術のストレスもあるが、脳をいじくっていると、神様と自分の区別が付かなくなるのではなかろうか。
勿論日本では北里の脳外科の教授のようにこれとは正反対の人格者もたくさん居られるが。

それやこれやで僕は形成外科の手造りと言うか、手工芸的な魅力を選んでしまった。
其のことは決して後悔していないが、ふと思うことはある、もし僕が脳外科医になっていたら?
決断力に乏しく、スタミナにもかけているこの男は、患者にとっては神の手どころかせいぜいが悪魔の手先ぐらいで終わっていたかもしれない。
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by n_shioya | 2006-10-01 18:24 | 手術 | Comments(1)




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