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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
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再生医療をリードする形成外科
今日からまた学会である。
日本形成外科学会基礎学術集会である。
長たらしい名前だが、要するに春の総会は全般的ことに臨床に中心を置いているが、これは基礎研究の学会である。
平たいく言えば春のが「患者の治療」についての討議なら、秋のこの学会はネズミや試験管内のデータの競い合いと言える。

40年ほど前、まだ形成外科が一人前の医療の専門分野として認めておられないころ、仲間の医師からは“お前ら、何だニキビ取りか”、とか“皮剥ぎ屋”とか侮蔑され、“悔しかったらもっと研究をやって見い”とまで言われ、発奮して、学会の有志で「研究会」を発足させた。
それがやがて「秋の学術集会」と格上げになり、もう今年で18回目となった。

まず胸を張って言えることは、今はやりの「再生医療」も、その先鞭は形成外科医によってはじめられた皮膚の再生であり、今回の会長の聖マリアンナ医科大学の熊谷教授は、この分野の日本のリーダーである。
これは別の呼び方では培養皮膚であり、重症熱傷の治療には不可欠な手法である。
最近はこれが企業化され、ジェイテックと言うベンチャーの製品が、保険診療で認められるようになった。
今回の学会でも、この分野の話題が豊富で楽しみである。

形成外科の分野は、一つの臓器に限られず、頭のてっぺんからつま先まですべてカバーするので、その基礎研究も幅が広い。
再生医療の分野では、脂肪組織の幹細胞の研究が今最も話題となっており、先週の日本美容外科学会でも取り上げられたように、既に臨床の場に持ち込まれている。

また血小板や血小板由来の成分も、創傷治癒から美容外科の分野にも取り入れられている。

今一つ、これはこれからの課題だが、傷跡を残さない、スカーレス・ヒーリングという分野がある。今の技術ではある程度傷跡を目立たなくはできても、完全に消すことはできない。それを可能にしようという試みである。実現まではまだほど遠いが、何時、なんかのブレークスルーにより、突如可能になるかもしれない。

というわけで、40年前は日陰もののように肩身の狭かった形成外科だが、今や時代の先端をリードするまでに成長したのは、それに多少ともかかわったものとしては、大変喜ばしい限りである。

熊谷会長!
明日からの発表を楽しみにしていますぞ。
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by n_shioya | 2009-09-30 22:00 | 医療全般 | Comments(5)
表情の不思議
b0084241_9391912.jpg戦後のハリウッドの人気男優の一人で、モンゴメリー・クリフトというのを覚えておられるだろうか。
「日のあたる場所」「私は告白する」などの名作では、影のある男を見事に演じている。美男であるだけでなく、演技も優れた僕のお気に入りの俳優の一人だった。

その、愛称“モンティ”が自動車事故にあったが、何回かの顔面の形成手術でほとんど傷跡がわからぬくらい恢復した、多少の筋肉のマヒは残ったが。
だが僕が気になったのは、なにか表情のぎこちなさと言うか、不自然さが残ったことである。
勿論筋肉マヒが一つの要因であるには違いない。ただ、なにか顔全体がしっくりしていない。
その後いくつかの作品に出演し、将来が期待されたが、アレルギーと大腸炎などの疾患に悩まされ、46歳で生涯をとじた。

先週の美容外科の学会に出席し、数々の顔の美容手術の見事な術前、術後の写真を見ながら、僕はふと、モンティのことを思い出したのである。
確かに手術できれいに若返っているのがほとんどである、もちろん中には術前術後の写真を入れ替えてもわからないだろうと言いたいような結果もないではなかったが。

ただ、その若返ったはずの顔に何か違和感を覚えることが多かったのだ。
どう言ったらよいだろうか?術前の顔の方が何か自然で生き生きとしている、とまで言ったら言い過ぎだろうか。
この差はなんだろう。
あれこれと思いめぐらし、一つの言葉に遭遇した。
それは「調和」である。
持って生まれた顔にメスを入れた瞬間に、われわれは自然のバランスを崩してしまうのではないか。たとえそれが一部であっても、また客観的には改善されていても。

人の顔は不思議なものである。ブスはブスなりに「調和」を保っていると言ったら叱られるだろうか。
だが、魅力のおおきな要素が「調和」にあるとしたら、美容外科とはいったい何のためにあるのだろうか。

いま一つの不思議な点は、笑っても泣いてもその人の顔として認識できることである。
あれだけ筋肉が動き、しわが寄ってもその人の顔の特性は失われない。これも表情の変化の中でも、一つの「調和」を保っているからではなかろうか。

いまさら言うのもはばかられるが、どうも我々美容外科医は、あまりにも無造作に顔にメスを入れてきたような気がする。
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by n_shioya | 2009-09-29 23:21 | 美について | Comments(8)
痩身の新兵器
今の若い女性の痩身願望は、われわれの理解の埒外にある。
ルーベンスの描く三美神を思い起こして欲しい。ふくよかを通り越して、デブデブの三段腹の集まりではないか。
“そうおっしゃっても”、と女性誌の編集者に言われた。“痩身特集を組むと売り上げが倍増するんですよ”

そこで登場するのが痩身ダイエットであり、痩身マシーンである。
その新兵器の一つが、先日の学会でお目見えした。
凍結法とでもいおうか、皮下組織を二枚のプレートで挟み込み、プレートの温度を氷点下に近くまで下げる。具体的に何度かは企業秘密なのか知らされなかった。

すると脂肪細胞内の脂肪が結晶になり(凍結とは言わなかった)、細胞は自然死(これはアポトーシスと呼び、壊死とは違う)して、白血球に貪食される。かくして皮下脂肪層は一センチ近くも薄くなるという。
創始者の言では、これによる組織障害はなく、もちろん皮膚障害も残らぬという。ただし肝心な内臓脂肪は改善しない。

この機会にグーグルで検索すると、「冷凍痩身」と言うのが引っ掛かった。
これはカプセルに体を入れ、マイナス160度の冷凍酸素?を噴霧するという。
エステサロンで行われているようだ。
どのようなメカニズムかは知らないが、数十年前、やはり冷凍による痩身で凍傷を起こし問題となったエステサロンを思い出した。

現在痩身法として行われているものには、エンダモロジ―、メゾセラピー、脂肪吸引など様々な方法があるが、安全なものほど効果は限られ、脂肪をこれだけ抜きましたというより、ある程度体型を整えるということを目的に置いた方が無難と言える。
そもそも日本人には、欧米人のような肥満体は稀にしか見られないからである。

欧米ではそれこそ病的ともいえる肥満体に対して、脂肪吸引だけでなく、経口薬剤で脂肪吸収を抑えたり、消化管の一部を切り取ってこれも消化不良による減量を計る方法もある。

ま、一番安全な減量法は、腹八分で我慢し、しっかりと運動をすることですな。
だが、これがいうは易くして、実行には僕も難儀している
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by n_shioya | 2009-09-28 22:27 | アンチエイジング | Comments(6)
トレドの足音 油絵展
スペインを訪れた方なら、よほどのことがない限り立ち寄ったはずのトレド
三方をタホ河に囲まれた丘の上に浮かぶ天空都市。
僕も二度は訪れている。
トレドはスペインの宝石ともいえる魅力的な古都だ。

そのトレドをこよなく愛する画家の永井吐無氏の「トレド展」が、日本橋三越で開かれていた。
全体がベージュ色で抑えられた細密描写のトレドには、一つの人影も描かれていないにもかかわらず、ほのぼのとした人の営みを感じさせる。
また、あの驢馬がひずめの音を響かた、路地の乾いた石畳も京都の安寧坂を思わせる風情さえある。
だが、間違いなくトレドである。
日本人の画家の心情に、丁度蜃気楼のように映し出しだされた「トレドの精」とでもいうべきか。

たまたま会場で、昔馴染みの画廊の方たちにお会いした。ずっと以前に永井氏の作品展を催されたことがあるということで、作家のご夫妻をご紹介いただけたことは望外の幸いであった。
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by n_shioya | 2009-09-27 22:45 | 美について | Comments(2)
学会を終えて
二日間の学会を終え、無事帰宅しほっとした。
会場であるホテルに泊まり、学会出席だけで外を出歩いたわけでもないのに、ひどく疲れを感じるのは、それだけ熱心に勉強したということか、それともお年だからということだろうか。

とまれ、実りの多い学会だった。
主な話題は三つ。

まず、再生医療の美容外科領域への応用。一番の話題は脂肪移植である。
下腹部の在り余る脂肪細胞を他へ移すことが可能なら、一挙両得と言える。
特にそれが上半身の二つの膨らみを補強してくれるなら。
脂肪の中にある幹細胞を活用することでそれも可能になってきたという。
今後は肌の若返りにもこの幹細胞が利用されるようになるそうだ。

次はしわ伸ばしの手術のリファインメント。
しわの発生のメカニズムの解明とその対策が検討され、より効果的で、しかも侵襲は少ないよう、いろいろな工夫が発表された。

こうして女性がより若く、魅力的になって行くと男性もうかうかしておれない。
まず気になるのは、頭頂部の輝きである。
というわけで「頭髪治療の現状と将来」がシンポジュームとして取り上げられた。
具体的にはミノキシジルとプロぺシアによる発毛術。そして生え際を整える稙毛術などの現状が報告された。
ところで禿というのはもはや差別用語で、「男性型脱毛」と言わぬとおしかりを受ける時代になった。
その「男性型脱毛」の悩みは深刻なようで、僕などは白髪の原因を解明して、色素を取り戻せればとおもうが、これはぜいたくな悩みのようで、全く議論の対象にもならなかった。

現役時代はこうして学会発表をゆっくり聞くことができなかった。裏の舞台で展開する、し烈な政治闘争に巻き込まれることが多かったからである。
誰を次の会長にするかとか、どこそこの教授のポストが空くが、どこの大学が取るか、などおよそ学問と縁遠い、どろどろした白い巨塔の世界であった。

今こうして、心静かに研究発表を楽しめるのは、権力から隔離された後期高齢者の特権と言える。
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by n_shioya | 2009-09-26 23:17 | 医療全般 | Comments(10)
新時代の創造的日本の美容外科
b0084241_10573216.jpg本当は13年前、23年務めた北里大学を首になった時、山にこもって仙人になるはずだった。
だが、修行が足りなく、「久米の仙人」ではないが、「美女軍団」に気を取られて足を踏み外し、下界に舞い戻ってしまった。
だが、仙人への夢は断ちがたく、このシルバー連休は久しぶりに山小屋で過ごし、山の霊気で全身全霊の「デトックス」を果たしてきた。
この週末まで滞在したいところだったが、昨夜、日本美容外科学会の会長招宴に出席のため、泣く泣く下山した。

だが、その価値はあった。
久しぶりに昔の仲間と交流し、しかもパーティには、布施明が会長の為に友情出演、ヒット曲の数々をカラオケで披露してくれた。
本来はバンドを引き連れてくるものだそうだが、会長の懐具合を察した御本人の申し出だったそうだ。

b0084241_10575664.jpgそして今日、明日が学会本番。
会長の横浜市大の鳥飼教授が目指すのは「新時代の創造的日本の美容外科
その中身は週末にゆっくりとご紹介するとしよう
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by n_shioya | 2009-09-25 23:12 | 医療全般 | Comments(14)
医の倫理と企業の論理
かつてあるベンチャー企業の顧問をしていたことがある。
その企業は「化粧品と自然食品」で業績を伸ばしていた。
それをさらに「医療」とドッキングさせたいと、連携する“美と健康の”クリニックの創設を社長は考えた。

社長は熱心である。自分であれこれ調べては、器械や治療法の効果を聞いてくる。
ちょうどその頃、皮膚の若返りに有効だと流行り始めたヒアルロン酸の注入やボトックスにもついても聞かれた。
“先生、あれはどうです?”
“悪くはないけど、効果は一時的だよ”
とたんに社長の目がぱっと輝いた。
“では、みんなリピーターになるんですね!”
僕が「企業の論理」は医師のそれとはずれがあることを悟らされたのはその時である。

以前から企業による医療の経営の是非が論議されている。
今の日本では企業が直接クリニックを持つことはできない。
その中間に、マネージメント会社を置くことが普通だ。これを通常MSカンパニーと呼んでいる。
これは僕は原則的には悪いことではないと思っている。
企業に経営を任せ、医師が医療に専念することができるからだ。
経営者が予算の大枠を決め、その中での個々の行為や物品購入の優先度は医師が発言権を持つことにすれば合理的なはず。
医者が理想を追うと無駄が多いし、赤字になる。

だが企業と医師の連携は、実際にはあまりうまくいかないことが多い。つまるところは金の問題だ。
医師は自分の稼ぎがすべてと思い、企業が設備投資と集客にどれだけ金をかけているか実感できないからだ。
また企業側は、医師の持たされる責任の重さに理解が足りない場合もある。
いずれにせよ、医師と企業側との信頼関係と金銭面の妥当な取り決めが必要である。

ちなみにこの議論はあくまでアンチエイジングや美容外科のような自由診療を前提としており、保険診療となると、もっと複雑な制度上の問題が先行することは言うまでもない。
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by n_shioya | 2009-09-24 21:15 | 医療全般 | Comments(6)
カロリー・リストリクション
カロリー・リストリクション、略してCR
腹八分目よりちょっと我慢して、七分ぐらいにすると長生きするという新説である。

そもそもはネズミの実験で、餌を三割カットすると寿命が三割伸びるというデータから言われ始め、人間にも当てはまるのでは、という議論である。
それを支える研究として、飢餓状態に置かれると、長寿の遺伝子のスウィッチがオンになるというものもある。
ただネズミの場合は、正常の状態では食べ放題ということがないので、飽食が寿命を縮めたにすぎないという考えもある。

ただ、日野原先生を例に挙げるまでもなく、長寿の方は粗食のことが多いようだ。粗食と言っても量は少ないが、玄米菜食のように質に支えられてはいるが。
有名なのはオールド・パーである。

あの田中角栄が愛飲したウィスキーのラベルの男だが、15世紀のイギリスに生まれた伝説の人物である。152歳まで生きたとされるが、その秘訣は粗食にあったという。
・・・80歳で結婚し二児を設け、100歳過ぎて婦女暴行罪で訴えられ、細君が病死した後、120歳で再婚した・・・と、ウェストミンスター寺院の墓碑銘には、まことしやかに書かれている。
田中角栄氏も、この華麗な女性遍歴にあやかりたかったのだろうか。

カロリー・リストリクション
が本当なら、僕は一つ提案がある。
アンチエイジングの為に、カロリーを三割我慢して浮いたお金をしかるべきファンドに寄付し、発展途上国の栄養失調で苦しむ子供たちへの援助に充ててもらう。
一石二鳥の名案ではと、さる高名な抗加齢学者に持ちかけたら、駄目ですよと一蹴されてしまった。
量を減らしても「自然食」という質にはこだわらねばならぬ。それがかえって金がかかるんですな、という言い分だった。

でもそれってなんかおかしいんじゃない?
アンチエイジングが普及するためには、アフォーダブルでなければ、金持ちのお遊びになってしまう。
採算性は無視できないにしても、あまり企業に踊らされることなく、もっと地道にライフスタイルの改善を計らなきゃ。
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by n_shioya | 2009-09-23 21:12 | 食生活 | Comments(8)
マクロビオティック またの名は玄米菜食
昨日のこと、昼飯に外へ出たら、敬老の日でどこも満員で行列ができている。
やっと空いている店を見つけ入ったところ、自然食の店なのか、棚に「マクロビオティックス」の本が置かれていた。
実は「マクロビオティックス」という名は耳にしたことがあるが、内容は全く知らなかった。
拾い読みしてみると、何のことはない、「玄米菜食」の勧めではないか。
やばいところに入ったと後悔した。
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その本によると「マクロビオティックス」は、桜沢如一氏によって第二次大戦の前後に提唱されたという。
丁度親父の恩師、二木謙三博士が「完全食」を提唱したのと期を一にしているようだ。
玄米至上主義で、肉はご法度、魚はまあ許されるが、砂糖は毒と言うあたりは同じだし、形而上学的というか、神がかっている点もそっくりである。

その二木博士に親父は傾倒していたから、われわれ子供たちは悲惨な食生活を強いられた。
勿論玄米菜食。肉はだめ。キャラメル、チョコレートはご法度。
しかも玄米は飲み込むのではなく、自然に流れて無くなるまで、百回噛めという。
調味料はなべて良くない。人の舌は自分の体が必要なものを選び、必要な量を食欲として欲するはずである。その自然の味覚、食欲を騙して、有害なものを必要以上に食べさせてしまうのが調味料で、フランス料理は最も悪いという。

長じて人並みの食事に接し、親父が断罪するが如何に美味かを知り、以来、一生かけて償うために、不肖の息子は毎日各国の毒をせっせと食べ続けている。

ウィキペディアによると二木博士は、
「食事法としては玄米菜食による完全食、塩は用いず、動物は少なくし、二分間煮で食べることを提唱していた。二木自身は48歳より、1日1食、玄米、塩なし、油なし、火食なし、動物不要の食事となった。
正心調息法の創始者である塩谷信男(僕の親父)は二木の健康法を実践して病弱体質を克服した。二木は晩年も元気に活動し、亡くなる前には全国の弟子たちを電報で呼び集め、全員が揃ったところで「それじゃあ、君たち、最後の息をするから、さようなら」と言って世を去ったという。」
とある。

さて、昨日のレストランだが、幸いマネージャーはマクロビオティックの「原理主義者」ではなさそうで、メニューには肉も載っており、僕はスペアリブをおいしく頂いた。配偶者は真面目に、その店のお勧めの五穀米の定食を食べていたが。
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by n_shioya | 2009-09-22 22:16 | 食生活 | Comments(9)
高齢者の生きがい
敬老の日に改めて高齢者の生きがいについて考えている。

人には二つの年齢がある。
一つは誕生日時で決まって変えることのできない「暦の年齢」だが、われわれ抗加齢に関わる者が重視するのは、その人の心身の機能を表す「生物学的年齢」である。
人によってはこれを「リアルエイジ」とも呼ぶが、「暦の年齢」と違い、これは人により差があり、その開きは年を重ねるほどに、幅が広くなるのが特徴である。
抗加齢医学の目的は、このリアルエイジの進みを遅らせ、できれば少しでも後戻りさせることにある。

このリアルエイジ以上に加齢とともに開きが大きくなるのが、その人の持つ「価値観」である。それによって生きがいも様々なあり様があって当然であろう。
元来「価値観」は、生まれつきの性格にもよるし、その後の人生経験、そして現在置かれている環境、さらには将来の見通しによって生ずる産物であり、年と共に幅が広がるのは当然なことで、その優劣を論じてもフェアではないと思う。
ただ、だれでも共通に持つ生きがいがあると僕は信じている。
それは“人に必要とされている、と感じる”ことである。
たとえそれが錯覚であっても。

親父が84歳で引退した時のことはすでに書いたと思うが、ここに繰り返す。
熱海の老人マンションに移り住み、しばらくはゴルフ三昧で幸せそうだったが、半年ほどで急に落ち込んでしまった。
“信幸、な、俺は今まで毎日朝から晩まで患者を救うことに専念してきた。それが今どうだ。好きなゴルフをするだけで、なにも人の役に立っていない。これで生きてる意味があるだろうか?”

ちょうどそのころ、マンションの住民の間で紛争があり、最長老ということで親父が調停を頼まれ、幸い、うまく収まった。
“おい信幸。俺でもまだ人様の役に立つんだ”。と元気を取り戻し、それから自分の健康法、要するに呼吸法の一種だが、について本を表し、ゴルフダイジェストに三度のエイジシューターとしての連載を始め、現役ゴルファーとして100歳まで日本中を駆け巡って、健康法の講演もする日々を送るようになった。
結果的に亡くなるまでに本も十冊ほど出版し、いまだに売れているようである。

年齢に関わらず、“生きがいとは、人に必要とされる事”だとの信念を僕が強めたのは、このようなエピソードもあやかっている。
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by n_shioya | 2009-09-21 22:29 | アンチエイジング | Comments(11)




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