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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
今日は一晩、日本の医療の将来に関して、熱い議論が繰り広げられた。
「第14回医療を考える医学者会議」である。 結論から言うと、元凶の最たるものは、数年前に導入された「二年の研修制度」 である。 幸いメンバーの一人が、その見直しの委員会に入っているので、大いにこの会議の意見を取り入れてもらおうと、そのメンバーにハッパをかけた。 そもそもインターン制度は意味がないというので、熾烈な学生運動の結果廃止された、過去の遺物である。 ちなみに当時僕は、インターン制度はもっと充実させて存続すべきという考えだった。 それを中身はそのままにだらさら二年に延長したのが今の制度で、しかもマッチングと称して医学部の教室の影響をはく奪して、研修医に研修病院を選ばせたため、研修医がただうろつくようになったのである。 繰り返し述べたように、医局は芸者の置き屋みたいなもので、弊害はあってもそれなりの機能は果たしてきた。 それがいま、置き屋を失った芸者が右往左往しているといったら言い過ぎだろうか。 確かに今までの医局支配は弊害があったが、市中病院と大学病院が卒後教育面で連携を密にしない限り、研修のレベルは保証されない。 また、僻地を含め、必要に応じて医師を配置するのも、置き屋の機能であったので、今は皆、都会の病院に集まり、僻地が無医村になっている。 又、家庭医の養成と基礎研修がごっちゃにされている。 今の二年の研修なら、学部教育で十分こなせるはず。 もしロテーションが必要というなら、専門科目を選択してから、それに合ったロテーションを組めばよい。 いわゆる家庭医的な研修は、それはそれで考えればよい。 又、研修をそれだけ義務化するなら、へき地医療もその中に組み込んで義務づければよい。 どだい行政のやることは、医師を削減したり、急に増やそうとしたり、予算の配分も、理念なきパイの切り分けにすぎず、要するに阿呆首相のもと、阿呆官僚が小細工を弄しているにすぎない・・・ など、など議論は尽きず、さらにはいまどきの若い者の覇気のなさ、そもそも幼稚園から教育が間違っている、いやその責任は親にもあると、議論はとめどなく続いた。 ま、いくらほざいてもそれだけではごまめの歯ぎしりなので、件のメンバーを通じて、2月初めの答申案に会議の結論を反映させようということになった。
by n_shioya
| 2009-01-10 23:05
| 医療崩壊
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Comments(4)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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