|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
東京に住む息子の一人が訪ねてきた。
“親父、そろそろ先のことも考えておいた方がいいよ” “先って、老後のことか?” “何言ってんだよ、もう後期高齢者じゃないか” “ああ、逝っちまったときのことか?” “ちがう、ちがう。逝っちまってくれれば世話ないけど、認知症になったり、寝たきりになったりすると一番厄介なんだ” “じゃ、首でも絞めてくれるってのか。” “冗談はやめて本気で考えてくれないと、俺たちもこまっちゃうんだ。やっぱり本人の意思も尊重したいし・・・” つまり要介護になったらどうしてほしいか、自宅に出来るだけいたいのか、施設に入りたいのか、といったことらしい。 その時になって困るのは、お袋や子供たちだからともいう。 言われてみればそれはそうだ。 この数年、100歳前後の要介護の両親を抱えて、母親は2年前99で、父の方は昨年106歳寸前でなくなり、その後始末で追われてしまい、自分のことまで頭が及ばなかったし、また、誰でも考えたくない問題には違いないだろう。 要介護の状態、それを取り巻く日本の矛盾だらけの悲惨な状態を知り尽くしているだけに、そうなった場合、せめて自分の身辺をどうしてほしいか、子供たちにははっきり意思を伝えなければ、と悟った。 “わかった。じっくり考えて、結論を出す。” “じっくりなんて余裕ないかもしれないよ、親父の運転を見ていると。 すっと天国まで飛んでってくれればいいけど、なまじ心臓だけでも動いていたら一番たちが悪いからな。“ と悪たれをついて帰って行った。 持つべきものは親思いの息子である。
by n_shioya
| 2009-06-12 23:10
| 介護
|
Comments(5)
素晴らしいですね、お子様達。
親子の会話、一流のユーモアのセンス、光ります。 いつも先生のこのようなお話を伺いますと、 ほのぼのとした中に、勇気や、温かさや、思いやりを、いっぱい感じます。 どうぞ、いつまでもお元気でアンチエイジングに、邁進してくださいませ。
0
![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
![]()
孝行したい時に・・・などということのないよう日々を大事にしなければ。
アンチエイジングの手本でいて下さいまし。
芙蓉さん:
アンチエイジングなどと脳天気に説いているくせに、これは自分自身の問題だとはたと気がつきました。
だんぷ さん:
呪われた遺伝子をしょい込んでいるので、自損しない限りまだしばらくはもつでしょう。
|
![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
![]() |
||
![]() |
||
|
ファン申請 |
||