|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
昨日ドクターズコスメのことを書いたら、そもそもドクターズコスメとは何ぞや、とご質問をいただいた。
結論から言おう。 なにもはっきりした定義があるわけではない。 ただ巷間には三種類のものが出回っているる。 まず、医師が一人一人の患者に処方し、その処方箋に基づいて薬局で調合するもの。これが本来のドクターズコスメであろう。 次に医師が開発を指導して成分を配合し、化粧品として販売されるもの。 最後に残るのは、医師の名前だけちょうだいして、何々先生の化粧品として宣伝するもの。これは全くドクターズコスメと呼ぶに値しない。 じっさいにドクターズコスメとして市場に出回っているものの大半は、二番目のものである。 昨日取り上げたイヴォ・ピタンギの化粧品もまさにこれである。 僕は化粧品の専門家でないし、また男なので自分で使ったこともないので、あまり具体的な話はできないが、この半世紀で化粧品は以下のような変遷を遂げた。 まず、僕が学生の頃、皮膚科の教授は“肌にいい化粧品はない、ただ俺たちはみな化粧品会社とつながっているので、表向きそのようなことは言えないが。”とおっしゃっていた。50年前までの話である。 その後、肌トラブルを防ぐべく化粧品会社も努力し、肌にに害のない化粧品へと進化した。 その後、バイオと再生医療の発達で、積極的に肌の改善を図る試みが始まり、ケミカルピールのためのフルーツ酸入りのもの、美白効果を狙ったもの、さらには細胞活性を図るなど、機能的と言える化粧品が現れるようになった。このきっかけになったのがドクターズコスメと言えないことはない。 だが、化粧品の成分はほとんどがどれも似たようなものである。 その残されたわずかの成分に工夫を凝らし、差別化を図っているのが現状と言えよう。 その僅かの部分で値段が一ケタも違ってくるが、それだけの効果の違いもあるかどうかは、使用される皆様方のほうがお分かりのはずで、素人の僕には何とも言えない。 だが、あるビューティライターの言を借りれば「女性が化粧品の選ぶときのあの高揚感は男性には絶対わからない世界」とのことである。 ならば値段もそしてブランドイメージも、使用者の満足感に寄与する化粧品の重要な要素と言えるだろう。
by n_shioya
| 2009-07-18 22:29
| スキンケア
|
Comments(4)
Commented
by
tom-sou-ya at 2009-07-18 22:49
はじめまして。
両親は化粧品店を運営してますので、何となくではありますが「高揚感」は僕も分かります。 今でも通販などで、怪しげなうたい文句の化粧品が販売されていて、それを使った人が肌トラブルでうちの店に「助けて~」とかけこんでくることもよくあるそうです。^^;; 手軽さゆえにキケンも伴いますよね・・・。 僕も隠れ腎不全に気づかずにサプリとか筋トレとか大豆食品を手軽にとったりして、体に負担ばかりかけて、腎不全になりました。^^; なので、うちは医者ではないので詳しいことは分からないのですが、僕の病気をきっかけに、サプリの販売も例えば、高尿酸の人にはプリン体を多く含むローヤルゼリーはお売りしないなどというふうに、色々工夫してやっていくように変えました。 メーカーは売れ売れの一点張りですが・・。^^;; またお邪魔します。今後ともよろしくお願いします。
0
Commented
by
ruhiginoue at 2009-07-19 00:23
清涼飲料水は、中身のコストが売値の3パーセントほどで、容器の生産やデザインのコストが圧倒的に多いけれど、これは化粧品も同様だと大手メーカーに勤務していた人から聞きました。
さらに宣伝費も莫大で、この容器や宣伝によって購入のさいの高揚感が作られるようです。
Commented
by
n_shioya at 2009-07-19 15:45
tom-sou-yaさん:
コメントありがとうございます。 何に限らず、良心的に経営を成り立たせるのはそのバランスが難しいものです。 また、サプリに関しては、併用のリスクについて少しずつ分かってきたようです。 これから必要なのは、高齢者の場合に必須とすべきサプリの絞り込みでしょう。
Commented
by
n_shioya at 2009-07-19 15:49
ruhiginoueさん:
ファッション、化粧品、エステなどはある程度夢を売る商売かと思いますが、流通や手間暇が経費に含まれるのはやむを得ないとしても、あまり欲望を掻き立て、また、不安をあおるようなPRはいかがかと思いますね。
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||