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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
「写真がないのね。」
池内 紀氏の「ドイツ 町から町へ」を一月半かけて読み終え、配偶者に手渡すと、ぱらぱらとめくってそう言はれた。 確かに63の町が出てくるが、写真は一枚もない。 読み出してすぐ、ブログに書いたのが6月13日。 一日一つのペースでじっくりとドイツの町めぐりをしたことになる。 一枚の写真もないのに、それぞれの町が見てきたように心象に残っているのは、さすが池内先生の筆の冴えと言うべきか。 ドイツ文学者だから当たり前と言えばそれだけだが、先生は実によく歩き、よく見ておられる。 あとがきにもこう書かれている。 「一ついばってもいいかもしれない。どこであれよく歩いたこと。すり減った石畳、城壁沿いの坂道、ひっそりとして人影のない田舎道…。自分の足で風景を見つけ、歩きながら考えた。」 また、数十年でスクラップアンドビルドされる日本の町と違い、ドイツの町並みは何百年にわたって保存改築され、その時々の歴史が文字通り刻み込まれている。 決してドイツの町として十把ひとからげに出来るものではなく、それぞれの町が実に生き生きと描き出されているのが、この本の魅力であった。 かえって写真がないことも町の印象を鮮やかにしたのではないかとも思った。 よく“百聞は一見に如かず”というが、写真は決して“一見”にはならないと思う。 どんなによく撮れていても、切り取られた一場面にすぎない。あえて言えばヴァーチャルなイメージである。そしてそれ以上の膨らみはない。 それに比べ優れた筆の力は、その町の心や住人の息遣いまで感じさせてくれる。 いずれはヨーロッパに長期ステイをしたいと願い続けてきた。 どこを拠点にするか迷うところであるが、どうもドイツ、それもフランス、スイスの国境に接するボーデンゼーのあたりに居をかまえ、車でドイツと国境周辺を廻り、更にイタリア、オーストリアそしてイギリスと翼を伸ばすのが賢そうである。
by n_shioya
| 2009-07-25 21:47
| コーヒーブレーク
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Comments(2)
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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