|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
日本から医者は姿を消してしまったのだろうか。
今日友人から再三電話があった。 最初は朝。どうも体の具合が悪くて新型インフルエンザのようだと言う。 この2週間、子供たちが順繰りに新型にやられており、症状が全く同じなので、まだ熱はないが、心配だという。 とりあえず近くの公立病院に行くように促した。 2時間後電話があって、熱もないのになぜきた、と追い返されたという。担当の若い医師は顔も見ず、もちろん喉を見たり、聴診器で胸を聞いたりなどせず、コンピューターの画面とにらめっこをしているだけだったそうだ。38度以上にならなければ、診察はできないという。 午後になってまた電話だ。やはり発熱して8度5分になったがどうしよう、と泣き声である。 本来新型の時は、まず保健所にというルールはあるので、そのことを言ったら、子供たちの時には保健所からまわされた私立病院で、もっとひどい扱いを受けたので行きたくないという。 ならもう一度、やっと熱が出ましたと元の公立病院に行ってみたら、と言うしかなかった。 そして最後の電話で、公立病院に言って看護師さんに、朝の医師だけは見てほしくないと泣きついて、やっと別の医師にまともな診察を受けることができたと報告があった。 確かに新型インフルエンザに関しては、行政の対応が混乱を招いているが、問題はもっと根本的なところにあるようだ。 目の前に患者がいたら、行政がどう決めようと、患者が何できてようと、まず患者の訴えに耳を貸し、医師としては当たり前の診察をすること。この常識が失われている。いや、まともに聴診器を使うことすら習っていない医師が増えている。 患者はコンピューターの画面にしか存在しない。 採血は看護師がやり、検査は高価な検査機器が行い、医師はただパソコンに送られてくるデータを見るだけである。その判断までソフトが自動的に行ってくれる。 患者の診察など、石器時代の効率の悪い行為は医療とは考えたくないようだ。 “本物の医者”はどこに行ってしまった?
by n_shioya
| 2009-10-23 23:41
| 医療全般
|
Comments(8)
Commented
by
ruhiginoue at 2009-10-24 00:31
自分が感染したくないということは考えられませんか。
なぜなら、医者はよく言うからです。風邪の季節になると、流感の患者ばかり診つづけて、そのうち自分が罹ってしまう。 「嫌だなあ」「憂鬱だなあ」「内科や小児科じゃなく皮膚科か形成外科にすれば良かったかなあ」などと、よくぼやいてますけど。
0
1歳になろうとする孫がいて、まだインフルエンザにはかかっていないのですが心配です。私自身一昨日からのどに異常があり、咳止めをもらって養生しているところです。新型なのか季節性なのかの区別もつかず、どうすればいいのですかね。小児科の兄に孫のことはよく電話して相談しますが、親戚にお医者さんがいると心強いですね。今のように ところてん式に医者になるシステムですと、お書きのような心の通わない医者が何パーセントかは必ずできてしまうものです。物質文明を大事にする時代から精神文明を大事にする時代に変革し、余裕のある生活を期待したいものです。
Commented
by
icelandia at 2009-10-24 22:21
往復共に飛行機の中では咳をしている人が多く、また、アイスランド国内でも結構流行っていて、発病中(タフミル服用中)の大人にも接触し、それでも、なんだか当方感染していない様子。一度感染してしまえば済むと思うのですが、世の中はなぜこうも躍起に感染を防ごうとするのでしょうか。死に至るのであれば、それもまた自然の成り行きと思っていますが、そういう考えは一般的ではないようで・・・。
どちらにしても、対応に心が感じられない医者は困ったものです。明日、行かせていただきますね!
Commented
by
n_shioya at 2009-10-24 22:41
ruhiginoueさん:
なるほど。それが一番の理由かもしれませんね。だが、それこそ医者にあるまじき・・・
Commented
by
n_shioya at 2009-10-24 22:42
jupiter さん:
この新型に関しては、どうも医師側もまだ混乱しているようで、申し訳ありません。
Commented
by
n_shioya at 2009-10-24 22:44
Commented
by
Dana Farber
at 2009-10-26 21:45
x
友人氏のお気持ちがよくわかる以上に「担当の若い医師」のつらさが小生にはよくわかります。地域の公立病院ですから、口を酸っぱくして「風邪には抗生物質は不要」と説明しても「抗生物質をよこせよこせ」と五月蝿い患者にうんざりしていることでしょう。そんな彼のところに熱も無いのにわざわざ来院される患者「様」には申し訳ないが大人の常識を働かせて様子をみてくれと言いたい。それでもなお食い下がられると。。。
この医師をあげつらったり、昔の医師はこうだったと世代間対立に持ち込んだりすることには強く反対いたします。日本医療のこのような制度設計をした人間がほくそ笑むだけかと愚考いたします。
Commented
by
n_shioya at 2009-10-26 23:34
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||