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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
先日の田中宥久子女史の施術のお陰で、皆さんから若返ったとお褒めの言葉をいただいたが、見た目以上に本人としては、“顔が軽くなった”という感じがする。
丁度顔の皮をカーテンに見立てれば、重いドレープが軽やかな紗になったような。 その理由を僕なりに考察してみた。 まず、リンパの鬱帯がマッサージで軽減したこと。 また、皮膚の血行が改善されて、活性化したこと。 次に、顔面の筋肉が適度に緊張を取り戻したこと。 この最後が大事ではなかろうか。 施術の前に、“先生、ずいぶん顔の筋肉が凝ってますね”と言われ、そんなことがあるかと、正直、思ったのを思い出した。 実は僕は肩がこったことがない。というか肩こりがどういうものかわからない。 ずいぶん幸せな、と人には羨まれるが、配偶者には“貴方はただ鈍いだけよ。”といなされる。 通常筋肉はある程度の緊張を保っている。これを我々はトーヌスと呼んでいる。 筋肉が完全に緩めば皮膚はだらりと弛緩する。 きゅっと縮めば其れに直角に表面の皮膚にしわを生ずる。額のヨコジワや眉間のタテジワがそうで、最近ではボトックス注入で筋肉をマヒさせ、一時的ではあるがこのようなシワを取ることができるのは先刻ご承知の通り。 ただし自然な表情が多少は犠牲になることもあるが。 顔面筋をもみほぐすことで、意識してない凝りが取れると、筋肉は自然のトーヌスを取り戻し、ダラリ感も締め付け感も消えて、顔が軽く感ぜられるようになるのではないだろうか。 これはあくまで素人である医師の推論である。 これをなにか医学的に立証できれば面白いのではと考えている。 そして、次なる課題はその効果がどれだけ持続するか、また、永続性を保つにはどのようなメンテナンスが必要かである。 ところで今回はまずお弟子さんが施術をスタートし、あとは大先生が引き取って、おんみずから施術を完了してくださった。 お弟子さんも腕は立派なものだが、やはり大先生のタッチは違う。 指が触っているというより、手全体が顔を包み込んで、表面を這いまわるような感じだった。 局所と言うか、一定の部位をほぐしている時でも、同時に他の部位もタッチして、バランスを取りながら全体的にもみほぐされていくような感じであった。そしてその流れが途切れることがない。 今後、可能ならば、施術中の筋肉、皮下組織の変化、更には大脳の活性化などを、最近はやりの画像診断で解析してみたいものである。
by n_shioya
| 2009-12-16 21:57
| スキンケア
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Comments(4)
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船長
at 2009-12-17 07:48
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おもしろいです!
とてもおもしろいです!! これまでエステなどにお金を使う罪悪感(?)のようなものがあって 「リラックスできること自体に意味があるのよね…リラックスが周囲の幸せにも繋がるし…」 などと自分やお金の出所に言い訳しつつその贅沢に浸ってきた女子は多いと思います 医学的な裏付けがあれば、言い訳しないでも堂々と「必要だから」と言えますし、 効果を素直に信じて受ける施術はこれまた 「?」と思いながら受けるそれとは効果自体にも差が出そうですね 単純に三日坊主が減るなんて効果もあるのかも…
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n_shioya at 2009-12-17 23:15
船長さん:
僕も心ならずもはまってしまいそうです。
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御隠居@横町
at 2009-12-21 21:40
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ここにも「神の手」が。
わたしも肩は凝りませんねえ。やはり鈍いだけかもしれません。
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n_shioya at 2009-12-21 22:04
御隠居@横町さん:
よく床屋さんに“凝ってますね、”といわれるのですが、本当にわかるのかいささか疑問に思うことがしばしばです。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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