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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
今日はひょんなことから酒蔵の見物をする羽目になった。
碌に酒も飲めず、日本酒とは全く縁のない男だが、ある日本有数の醸造元で、レクチャーを受け、製造工程をつぶさに見学し、挙句に昼間からしぼりたての生酒と言うのを試飲させられ、ふらふらになってしまった。 その詳しいことは後日、フォトができ次第御報告することとして、一つ新たに学んだことがある。 それは、日本酒にも年代物があるということだ。ふつうは醸造に4,50日ほどかかり、その後半年ほど熟成して市場に出すという。 担当者の話では、好みの問題もあり古ければよいというわけではないが、お値段の方は年を経ればそれなりに零が増えるそうである。 年代が物を言うのはやはりウィスキーやブランディであろう。 ちょっと興味を覚えてネットで検索すると、ジョニー・ウォーカーはそれほどでもないが、シバス・リーガルでは値幅は歴然と違う。 ウィスキーの場合、オークの樽内での熟成がいのちと言える。 考えると熟成が尊ばれるのはウィスキーに限らない。 あの屋久杉。あれほど人気を集め、尊崇の対象とさえなるのは、何千年の間に積み重なった年輪の重みである。 ここでちょっと気になるのは人間の場合である。 アメリカでのユース・カルト(若さの信仰)。又、わが国でも「敬老」などいう古い衣を捨て去った若者は、年よりは社会の重荷と切り捨て、年金を払うことを拒否する。 確かに加齢を重ねるにつれ、生物体としての機能は衰えの一歩をたどる。 だが、確実に年齢とともに少しづつでも上昇していい機能がある。 「判断力」である。これは経験の積み重ねだからだ。これを含めて知力いや叡智と言うべきか。これをいかに活用するか、これからの重要課題と言える。 唯一つ条件がある。認知症と言う邪魔が入らなければ。 これからのアンチエイジングの最重要課題が、認知症の予防と対策にあると僕が考えるゆえんだ。
by n_shioya
| 2010-04-07 22:35
| アンチエイジング
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Comments(7)
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あやめ
at 2010-04-07 23:28
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まさにその観念(生物体としての機能は低下するが 叡智は深くなる)から 発達心理学が誕生したのです!深くなる叡智は人にも寄りますが…
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だんぷ
at 2010-04-08 07:00
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年代物も搾りたても…
の、の、飲みだぁ~い! 実はあれだけブームになっても焼酎より日本酒の方が何倍も好きで、 ワイン、焼酎の次は日本酒が流行らないかな~ そしたらイロイロ試せるのにな~ おそらく酒蔵の方々にも 朗報のはず… などと勝手なことを思っております
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だんぷ
at 2010-04-08 07:43
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失礼しました
朝っぱらから最初の段落で反応してしまい、奥の深いエントリー最後までたどりつかないままコメントしてしまいました 年齢とともに確実に上昇する機能についてはまことに賛成です ただ、今の若者やともすればその親の世代=中年が知恵を身につけることなく暴走しているのを見ると「老い」の否定的な面しか見られていない浅はかさを感じます となると認知症は…その暴走機関車を「初めて」介護などによって「自分を見つめ」「立ち返る」きっかけ…というケースも考えられるかもと感じてしまいました
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ruhiginoue at 2010-04-08 20:51
酒にも偽装があって、こちらは年齢サバ読みとは逆に何年ものと嘘がまかり通っています。
老人が戦争を起こし若者が犠牲になり、形成外科が発達しましたし、現在でも若者が美容外科で悲惨な眼に遭い悪徳医師の老人たちが成金です。 今は嫌老の時代です。老人が若者を食い物にしているというマンガが話題になっているほどです。
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n_shioya at 2010-04-08 22:43
あやめさん:
早速発達心理学を勉強します。
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n_shioya at 2010-04-08 22:44
だんぷ さん:
ワインの試飲会なら頻繁にありますから、今度お誘いしましょう。
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n_shioya at 2010-04-08 22:45
ruhiginoueさん:
酒の偽装のほうがまだ害は少なさそうですね。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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