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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ここに至って余生を「見た目のアンチエイジング」に捧げる決心をした。
繰り返し書いてきたように、加齢による皮膚、容貌そして体型の変化の基本データの集積と分析、そしてそこから浮き彫りになるはずの問題点の解決法である。 壮大な計画で、余命いくばくもない筈の僕にどこまでできるかわからないが、せめてその筋道だけでも提示できればと思っている。 別の切り口から言えば次の三点になる。 まず、美の基準。 そして容貌のメッセージ性。 最後に「美しく老いることは?」という問いへの答えである。 この中に僕が先送りしてきた種々の問題がほとんど含まれている。 たとえば今名誉院長を務めるクリニックグループのターゲットである禿の問題は、毛は皮膚の付属器としてその老化の一形態でもあるし、また、禿へのこだわりは、容貌の持つメッセージ性の問題ともいえる。 又、今エンダモロジ―を関わりを持つようになって、体型に関するデータがあまりにも乏しいのに驚かされる。 また痩身美容についても、手法が先行しているので、ゴールがもっと明確にされる必要がある。 エンダモロジ―の場合は、これがそもそもは、セルライトというどちらかといえば欧米の女性に特有の脂肪沈着の一形態をターゲットに開発された器機であるということもある。 これを日本女性にいかに有効に使うか、男性ではあるが自分で体験しながら、じっくり検討しているところである。 勿論体型に関しては、乳房と臀部の加齢による変化については、ワコールの優れた研究があることは承知している。 だが、全身を俯瞰しての加齢による変化はやられてないのか、発表はあまりない。 また、アメリカ人の抱える並はずれた肥満体と違って、日本人の場合には、ただ脂肪を除去するよりも、美的見地からどこの皮下脂肪層をターゲットにすれば体型が整うか、つまりストラテジーが必要とされる。 その為には、加齢による体型の相対的、特にバランスの変化の追跡、そしてなぜ肥満が美的でないと思われるかといった心理学的な分析までが必要になるのではなかろうか。 しかも肥満の問題は、バランスのとれた食事と適度な運動という、アンチエイジングの大前提を無視しては話にならない。 その点から重要なのは、皮下脂肪よりも内臓脂肪といえる。 などなど考え始めると、僕が自らの余生に託したテーマは問題が山積みで、富士山麓の青木が原の樹海を、コンパスなしで踏み込んだような感がないでもないが・・・ ■
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by n_shioya
| 2010-09-03 22:51
| アンチエイジング
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Comments(2)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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