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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
「美の政治学」
“美しきものは永久の歓び”(エンディミオン)などと、詩人キーツが能天気に歌い上げている陰で、どれほどの容姿に恵まれぬ女性が苦しんできたことか。
「見た目より心」といった建前をよそに、女性の美はそれを持つ者も持たぬ者も、又それを享受する男性も含めて、振り回してやまない「特性」である。
政治学というより力学といった方が著者らの主張に近いのではなどと、ラコフとシェールの労作「フェイスヴァリュー・美の政治学」を読み終えて、感慨にふけっている。
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女性の美について、これほどあらゆる角度から、自身の心理も分析しながら、真っ向から取り上げた著書があったろうか。
僕自身「美容外科の真実」を書くにあたって、“美”と格闘したのを思い出す。
女性の美とは、主観か客観か、人はなぜ美を求めるか、そもそも美とは何ぞや?等々。
そのあまりにも奥深さに、唯問題提起に終わってしまった。

だがこの本を読むことで、さらに問題を奥深く追及する。
女性は幼いころから美醜の問題に苦しめられる。
しかも容貌は生来のもので、自分の努力で変貌はできない。
そして美貌すら、加齢という宿命、つまり年の衰えには勝てない。
それに引き換え男性の評価の基準は能力であり、これは努力で改善の余地がある。

このような矛盾をはらんだ“美”を軸に、女性同士そして女性と男性の、丁々発止の政治が生まれるというのが、著者らの分析である。

今僕が抱えている、美の基準とは?容貌のメッセージ性、そして美しく老いるとは?といった問題点に、女性の立場からいろいろと示唆を与えてくれそうな労作である。
ただ、残念なのは翻訳があまりこなれておらず、原文を想像しながら論旨を推測しなければならない個所が散見した。
by n_shioya | 2010-09-22 21:42 | 美について | Comments(4)
Commented by valkyries at 2010-09-23 09:55 x
先生、私が子供の頃、亡父は「女は誰でも自分が一番世の中で美人だと思っている。だからどんな不細工に対しても『不細工』と本当の事を言ってはいけない」と教えられました。
亡父のこの言葉は正しくなかったのでしょうか?
Commented at 2010-09-23 14:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2010-09-23 22:00
valkyries さん:
絶対に言うべきではないと思います。
ちょうど男に対して、禿が禁句である以上に。
Commented by n_shioya at 2010-09-23 22:00
peppy さん:
コメント有難うございます。
重く受け止めています。


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