|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
昨日までの日本美容外科学会の抄録集を読み返して、聞き洩らした演題の数々の多さに、改めて残念に感じている。 これは2会場同時進行なためにやむをえないことであり、日本抗加齢医学会のようにマンモス化すると、6,7会場が競う会うことも珍しくない。 聞き逃した演題をいくつか拾ってみると、 まず、九州で開業されている矢永先生の「培養表皮の瘢痕治療への応用」がある。 この培養表皮を全国の認可された熱傷センターからの依頼に対し、企業として供給しているのが、先日訪問した(株)ジェイテックである。 熱傷患者の救命ということで保険適用にはなったが、そのために縛りがきついにもかかわらず、ジェイテックが善戦しているのに感銘を受けたのは前回述べたとおり。 矢永先生は、ジェイテックの立ち上げに貢献された方の一人だが、今は個人の開業医の立場で、この培養皮膚を瘢痕修正、白斑、ニキビ跡、入れ墨などの治療に応用されている。 熱傷患者と違い、全身管理の問題や緊急性はないにしても、培養技術そのものは変わりない。それだけ人員も経費も必要とされる治療に、個人のクリニックとして研究開発を含め、取り組んでおられるのには敬服させられる。 今一つは「幹細胞脂肪移植の現状と将来」で、発表はセルポートクリニックの浅野先生だった。 現在注目を浴びている分野で、平たくいえば、今メタボの現況として悪玉にされている脂肪組織の中に、いろいろな細胞に分化しうる“幹細胞”が豊富にあるという話である。 そこでこの幹細胞を、だぶついたお腹から、いささか寂しい胸部に移動させれば一石二鳥というわけだ。 どこまで思惑通りにいくのか、又、長期フォローは如何なものか、是非知りたいところだが、これも聞き逃してしまった。 それでもこの男、“忙中閑あり”とぬかして、演題は聞き逃しても美女と京名物の湯豆腐は楽しんでいる不心得者である。
by n_shioya
| 2010-10-09 23:24
| 医療全般
|
Comments(2)
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||